海上自衛隊のヘリにも搭乗された
行く先々の離島までは、必ずしも民間の航空路線があるとは限らない。災害状況のご視察といったケースでは、日帰りでご日程が組まれることが多いため、スケジュールの融通性を考慮して、自衛隊や警視庁はじめ官公庁所有の機材(航空機)が使用されることもあった。
たとえば、1994(平成6)年の硫黄島(いおうとう)へは、陸上自衛隊輸送機(C130)、海上自衛隊ヘリコプター(S-61)、水陸両用機(US-1A)を、2006(平成18)年の三宅島へは、警視庁の大型ヘリコプター(EH101)といった機材に搭乗された。民間路線の航空機利用では、2018(平成30)年の日本トランスオーシャン航空(B737-800)やジェイエア(E170)などがある。
次回「島々へのご訪問(2)」では、離島へ運航したお召船のはなし、平成最後の島嶼(とうしょ)ご訪問を振り返ります。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。