2024年夏のJR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンのテーマは「京都がくれる癒し」。名所が多いゆえに旅行者が殺到する京都への旅だが、時間をずらすという方法もある。 例えば、嵐山では通常非公開の宝厳院(ほうごんいん)の朝いちばんの本堂や庭園を貸し切りで拝観できるプランも。まだ誰もいない早朝の拝観後に、書院にてベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと」のパンとアイスコーヒーをいただく。ティファニーならぬ、「宝厳院で朝食を」、だ。予約サイトのEX旅先予約「【お寺でモーニング】嵐山 宝厳院ですごす朝のひととき」で検索してみよう。
画像ギャラリー2024年夏のJR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンのテーマは「京都がくれる癒し」。名所が多いゆえに旅行者が殺到する京都への旅だが、時間をずらすという方法もある。 例えば、嵐山では通常非公開の宝厳院(ほうごんいん)の朝いちばんの本堂や庭園を貸し切りで拝観できるプランも。まだ誰もいない早朝の拝観後に、書院にてベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと」のパンとアイスコーヒーをいただく。ティファニーならぬ、「宝厳院で朝食を」、だ。予約サイトのEX旅先予約「【お寺でモーニング】嵐山 宝厳院ですごす朝のひととき」で検索してみよう。
嵐山・宝厳院では朝一番の貸し切り拝観と朝食で癒される
夕暮れ時には本堂でヨガを体験できるプランなどもある。妙心寺退蔵院での夕刻の座禅体験、1日100名限定の嵐山 祐齋亭の夜間貸し切りライトアップなど、人が少なくなった夕刻に貸し切りで名刹を拝観できるプランも企画している。時間をずらすことで、また貸し切りの特別プランを利用することで、混雑を回避し、ゆったりと過ごせる。静寂の中に身を置く特別な瞬間――贅沢だ。
私もこういったプレスツアーに参加するまで、把握していなかったのだが、「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンは、京都に行こうと呼びかけるだけでなく、「EX旅先プラン」で現地ツアーや特別拝観券などを申し込める予約サイトとしての側面も持つのだ。これなら出張などで京都に滞在するときにも、通常ではなかなか見られない場所や時間の参拝、観光など、効率的な京都散策が可能になる。
朝だけで京料理を網羅
ロケーションのよい宿を選び、早朝の散歩を満喫するのもいい。今回のプレスツアーで滞在した「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」は新町通の旧松阪屋京都仕込店跡地に建てられた、街の景観になじんだ宿。ホテルの機能性にはこだわりつつ、旧建物の柱梁や灯篭などを生かしたインテリアや室内からも眺められる庭園など老舗宿の佇まいも感じられるのがいい。大浴場があるのもうれしいポイント。烏丸御池から近いロケーションも、観光やショッピングに便利だ。
そしてこの規模のホテルにしては信じられないほど充実した朝ご飯ビュッフェも必見。京風おでんや生麩田楽、京野菜や湯葉をつかったおばんざいなど、朝だけで京料理を網羅できる。京都府産のお米を使用した中華粥も秀逸だ。もりもり食べ、満腹になっても罪悪感がなく、身体にいいことをしたような気分になるのはなぜだろう? これが京都マジック!?
朝の散策では午前6時から参拝できる六角堂へ
ちょっと早起きをして午前6時から門が開く六角堂へ。 宿から烏丸通に出てすぐの六角堂こと紫雲山頂法寺(しうんざんちょうほうじ)は、なんと聖徳太子(574~622年)が創建したという。
生け花発祥の地でもあり、境内にはさまざまなオブジェや生け花資料館も。代々、六角堂の住職を務める池坊氏は、仏前に供える花に様々な工夫を加え、室町時代に「いけばな」を生み出した。境内には華道の家元道場があり、六角堂の門前には生花を扱う花屋「花市(はないち)商店」も。ここはドウダンツツジなどの枝ものも豊富で、午前8時から営業しているので、インテリア撮影の小道具としての花を朝から探すのにも重宝していた。このお店さえまだ営業前。みやこの中心でありながら、この静けさ!六角堂は京都の中心を示すへそ石もある。
空色の包装紙で知られる老舗和菓子店「末富(すえとみ)」の本店も、宿から徒歩圏内。そのすぐ近くにカフェがオープンしたというので、足をのばしてみた。「末富」がプロデュースした「SUETOMI AOQ(スエトミ アオキュー」は午前8時から営業しているカフェスタンドなので、散歩途中の寄り道にはちょうどいい。
あんカフェオレをオーダーし、ベンチに座ってほっと一息。カフェオレにあんこのほのかな甘さが調和し、安らぐ~~~。上質な末富のあんこにも癒された。朝早くには犬の散歩をする地元の人くらいしか人通りがなく、開放的な気分に。立地のいい宿を選び、早朝の散策を楽しむのも「京都で癒される」ひとつの方法かもしれない。
京都人が日常で立ち寄るカフェで過ごす
「そうだ京都、行こう。」のCMでは素敵なカフェに佇む女優の安藤サクラさんの姿も。今回のプレスツアーではロケ地となった「カフェ・ドン バイ スフェラ」も訪れた。緑豊かな遊歩道を歩いてたどりつく、あのおしゃれなカフェだ。場所は祇園四条の北にある鴨川沿い。このあたりなら何度も通ったことがあるのに、こんな静かな遊歩道があるのは気づかなかった!あの映像通り、緑に囲まれたテラス席もある。
「スフェラ」は2001年、京都で生まれた多面的な文化発信を行うブランド。実はこのビルの1階と2階にはインテリアショップやギャラリーが入っていて、0階にあたるこのカフェはその系列なのだそう。「スフェラ」がセレクトしたアートや家具などを体感するための空間でもあり、食器もすべてショップのオリジナル。洋菓子にも和菓子にも使えそうな菓子皿はモダンで、買えるお値段(これ、京都では重要!)。上生菓子をさっと切れる黒文字も使い勝手がよく、自宅でのお茶時間用に即、購入。
引き立ての豆をハンドドリップで淹れてくれるコーヒーの奥深さや、点(た)ててくれるお薄(うす)の味わいに、心がほぐされていく。ああ、また癒された。行列のできる京都グルメではなく、京都人がプライベートで訪れるような名店はたくさんある。それを探り当てるのも、京都散策の楽しさだ。
朝の散歩や心地いいカフェで過ごし、暮らすような京都滞在で癒されよう。
文・写真/間庭典子
まにわ・のりこ。東京都杉並区出身。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)退社後、米ニューヨークを拠点に活動。帰国後はフリーライターとして情報を発信。全国各地の宿、インテリア誌では200軒以上の住宅を取材するなど、旅芸人なみのフットワークを誇る。仕事柄、ラグジュアリー系リゾート体験も豊富だが、「青春18きっぷ」を使って旅する“18きっぱー”でもあり、JRのほぼ全路線制覇。地の酒、肴を味わえる居酒屋や市場めし、ひなびた湯治場を巡るのも大好き。