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■「2~3日前に食べたものは覚えていないが、遠い記憶は……」(塚本浩先生)

ついさきほどの事を忘れてしまう。これが「認知症」の兆候のひとつだそうだ

認知機能検査を経て、最終的に医師から「認知症」と診断された場合、法律に基づいてクルマの運転は禁止となります。

認知症の方は直近に覚えた記憶である短期記憶を保管する「海馬(かいば)」という部位の機能低下が顕著なことが多いので、ついさっき覚えたことを忘れてしまいます。

いっぽう、一定の時間が経過すると海馬は必要な記憶と不必要な記憶を取捨選択して、必要な記憶のみを大脳皮質という脳の別の部位に移します。この記憶は長期記憶と呼ばれます。

大脳皮質は認知症に、り患しても比較的萎縮しづらいため、長期記憶は最後まで残ることが多いのです。

たとえば、2~3日前に食べたものは覚えていないのに、子どもの頃に仲がよかった同級生の名前は思い出せるといったことはありませんか? 

これは、2~3日前に食べたものの記憶(短期記憶)は海馬に、同級生の名前(長期記憶)は大脳皮質に保管されているためです。

■「認知症になっても若い頃に覚えたクルマの運転は忘れません」(塚本浩先生)

クルマの動かし方を覚えていても「逆走や信号無視は危険 」という判断力が薄れてしまう高齢ドライバーもいる

実はクルマの運転は長期記憶として脳に保管されているため、認知症になっても若い頃に覚えたクルマの動かし方は忘れないのです。

ただし、クルマの動かし方を覚えているだけで、逆走や信号無視は危険、横断歩道に人がいたら止まるなど、安全に走るために必要な判断力は失われていきます。

この危険な状態を察知するために有効なのが認知機能検査です。

直近に覚えたイラストを覚えて答える検査は、海馬をはじめとした「安全運転」をするうえで欠かせない部位が、正常に機能しているかをチェックできるからです。(脳神経内科専門医・塚本浩)

別冊ベストカー
「運転免許認知機能検査 完全攻略本」
総合監修:塚本浩(脳神経内科専門医)
定価1320円(本体1200円・税10%)
講談社ビーシー/講談社

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文:おとなの週末Web編集部/写真:Adobe Stock

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