水素で走るクラウンセダンなら補助金が約136万円交付される
以上の点を踏まえると、燃料電池車は、個人ユーザーにとって一般的な選択肢ではない。所有するなら、生活圏内に複数の水素ステーションがあり(1箇所では廃止された時に困る)、なおかつ走行コストの安さを求めないことが条件になる。
なお燃料電池車の価格は、ユーザーの捉え方次第だ。クラウンセダンFCEV・Zは830万円だが、国からの補助金が136万3000円交付される。補助金額を差し引いた実質価格は693万7000円だ。クラウンセダンハイブリッドZは730万円で、補助金の交付はない。つまり補助金を含めれば、クラウンセダンの場合、燃料電池車の方がハイブリッドよりも安く手に入る。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/トヨタ、おとなの週末Web編集部