すすって爽快、落合『山商』
品書きを見れば各種のせいろに伝統的な種物が並ぶ、これぞ江戸前のど真ん中といった印象。しかし6月~9月限定のぶっかけ蕎麦には、楽しい遊び心も忍ばせていた。
現在厨房を切り盛りする2代目の将治さんが考案したのが「冷しベジタブルそば」。切り口も冴え冴えとした二八蕎麦の上にはベビーリーフなどの葉物に加え、小エビ天に絹豆腐といった具材が色鮮やかに散りばめられている。
端正なコシのある蕎麦に野菜の瑞々しさが加わって、すすり心地がなんとも爽快!
トッピングした蕎麦の実アラレが時折歯に当たり、カリッと音が鳴るのも楽しい仕掛けだ。
さらに途中で別添えのドレッシングをかけると、冷やし中華風に様変わり。ひと箸ごとにくるくる表情変えるこのひと皿に翻弄されてみよう。