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まさかの“わんこうなぎ”スタイルに悶絶

ここで食べ方情報! ようするにこの焼けた状態はいわゆる「うなぎの白焼き」。そこに味付けとして、ふたつの調味料が用意されている

まずは醤油ベースの甘じょっぱい、いわゆる蒲焼きのタレ。そして山椒の粉も用意されている。そして韓国風ではコレをつけて食べると思われるコチュジャンベースと思われるソース

日本のうなぎ料理店で求めがちな風流さをあえて排除したかのように、2種のタレはスクイズボトルに入っております
日本のうなぎ料理店で求めがちな風流さをあえて排除したかのように、2種のタレはスクイズボトルに入っております

まずは日本風に蒲焼きタレでガブリといけば、これはもううなぎ様の蒲焼き。ただ日本の蒲焼きと違ってタレをつけて焼いてないので、タレの味わいのノリはイマイチな気がする……と思うも、だったら一度はタレをつけてから再度ロースターで炙りゃいいじゃん! と気づき、それを実行。あ、これはもう蒲焼き

続いてコチュジャンベースのソースでいく。これはカウンターから取ってきたサンチュで包んで食べるのが韓国式のようなんで、サンチュにはサムジャン(これもカウンターにある)を塗り、辛いソースを絡めたうなぎの上に生ニンニクやキムチものせてパクッとひと口で

あ~これはこれでいける。今まで食べたことのない味だけどいける。

ほら、コチュジャンに酢を混ぜたチョジャンをつけて、サンチュで巻いて食べる韓国式のお刺身あるでしょ? あれのうなぎ版ですね。

日本式の食べ方に慣れた人間には「ちょっと違うけど」と感じられるかも思うかもしれないが、同時に、

「でもコレはコレでアリ! 世界は広いッ!!」

と思わざるを得ない味。

さらに、ショウガの千切り(これまたカウンターにあります)や大根のムルキムチも一緒に巻くと、うなぎの脂っこさに酸味やサッパリ感が加わり、なんとも言えないナイスハーモニー。蒲焼き的に食べるのもいいが、この店のこの焼き方で食べるならば、この韓国式の方が個人的には合うと言いたい。なにしろこの店でしかこの食べ方はできないんだし。

ある意味、蒲焼き以上に食欲をそそる、うなぎサンチュ包みのルックス!
ある意味、蒲焼き以上に食欲をそそる、うなぎサンチュ包みのルックス!

そうやって食べていると、ロースター上のうなぎも半分くらいになってくる。すると店員さんが、またうなぎを1枚、テーブルに置く。うなぎが減ってきたらば自動的に追加される、いわば“わんこうなぎ”である。

それにしてもチャプチェやトッポギもあるからか、満腹になるスピードは早い。ふたりでうなぎを4枚……ようするに2匹分を食べ終えた時には胃の許容量の80%に達していた。だがロースターには1枚。さらにテーブルにもまだ2枚のうなぎ様が残っている。

先は長く、そして赤坂の夜も長い
先は長く、そして赤坂の夜も長い

「これは全部喰わなければ、うなぎ様に申し訳ない」

ワタシも編集のえびす氏もそう思いつつ、あとは味わうというよりも、消費していくようなペースでうなぎを口に入れていく。

あの高嶺の花であるうなぎ様をこのような気持ちで食べたのは後にも先にもこの時が初めてである。

「うなぎ様」から「様」が取れた歴史的瞬間でもある。

しかし、うなぎ様も様と思わず食らうというこの行為こそが最高の贅沢といえるかもしれない。

さらに夏バテなどは、この怒濤のうなぎ摂取の前にかかれば、屁のようなものだろう。

最後のひと切れがロースターに置かれた時「もううなぎはストップで」と店員さんに伝え、そして最後のうなぎひと切れを食べ終えた瞬間、脳内には中村ゆうじさんの

「うなぎ完食ゥゥゥゥゥゥ!!」

という声が聞こえてくるようだった。

そして、うなぎに大満足した我々の目の前に、今度は豚カルビが、その巨大な姿をあらわしたのであった

ズドーンと登場した豚カルビ。ゲームでラスボスを倒したと思ったら、その後からまたひとり隠れラスボスが登場したかのような状態
ズドーンと登場した豚カルビ。ゲームでラスボスを倒したと思ったら、その後からまたひとり隠れラスボスが登場したかのような状態

そして、すでに満腹な我々であったが「食事の後のデザートは別腹」のように「うなぎの後の豚は別腹」的になぜか豚カルビもスルッと全部食べられちゃったのである。さすが『兄夫食堂』の豚カルビだけあって、ストレートに抜群の旨さってのもあるけどね。

さてこの「食べ放題」。ありか? なしか? 決めるのはアナタ次第。ワタクシは「あり」です

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取材・撮影/カーツさとう

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