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本当に環境負荷の少ない車両への乗り替えになっているのか?

2004年発売の6代目スズキアルト

古いクルマを増税する理由は「環境負荷の少ない車両への乗り替えを促進するため」としている。設計の新しい車種には新しい環境技術が採用され、燃料消費量や二酸化炭素の排出量が少ない。そこで新型車に乗り替えてもらうために増税するわけだ。

見方を変えると、自動車税と軽自動車税のグリーン化特例、自動車重量税のエコカー減税によって環境負荷の少ない車両の税額を安く抑える代わりに、環境負荷の高い車両を増税してバランスを取っている。

ただしこの考え方と制度には誤りが多い。まず減税や増税のベースになる燃費基準は、車両重量と燃費数値のバランスで決まる。そのためにボディの重いハイブリッドなどは、燃費数値自体が悪くても税額が大幅に安くなる場合があるのだ。

逆に車両重量が700kg以下に収まるスズキアルトは、13年を超えた車両でも燃料消費量は少ない。それでも古くなれば軽自動車税と自動車重量税が増税される。

また新車を製造したり流通させる時にも二酸化炭素は排出される。特に電気自動車などに使われるリチウムイオン電池は、製造過程で二酸化炭素の排出量が多いとされる。そして走行距離の少ない場合は、新車に乗り替えても、二酸化炭素の抑制効果が発揮されるまでには長い時間要する。

低燃費でも、製造/流通時の二酸化炭素排出量をなかなか取り戻せない。

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渡辺陽一郎
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