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税金値上げで何が起こっているのか?

2009年発売の3代目トヨタプリウスは初期モデルが13年を超えているが、ハイブリッド車は増税の対象外となる

しかも最初に登録や届け出をしてから13年を超えた車両のユーザーには、生活に困窮している人も多い。例えば公共の交通機関が未発達な地域では、高齢者が古い軽自動車を毎日の買い物や通院に使っている。運転免許を返納したくても、クルマがなければ病院にも行けない。せめて衝突被害軽減ブレーキを装着したクルマを買いたいが、高価で購入できない。

あるいは新型コロナウイルスの流行で所得が減り、13年を超えた車両を使い続ける人もいる。昨今の納期遅延のため、納車を待つ間に車検を取り、13年を超えてしまうこともある。このような困っている人達、仕方なく古いクルマを使う人達を増税で攻め立て、無理矢理に新車を買わせようとするのが今の自動車税制だ。

自動車工業会は「日本は税金が高い!」と主張しても「増税をやめろ!」とは言わない。増税が不幸を生み出す悪法でも、クルマの販売促進に貢献するからだ。結局のところ、自動車業界と国は結託している。

「古いクルマのユーザーが増税に耐えれば、国の税収が潤う。増税に苦しんだ揚げ句に新車を買えば、自動車業界が儲かる」という構図が成り立っている。だから困っている人達を攻め立てる増税が続くのだ。

文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/トヨタ、スズキ、Adobe Stock(アイキャッチ画像:J_News_photo@Adobe Stock)

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渡辺陽一郎
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