美味しいナツメの見分け方 生のものは入手が難しいため、ここでは乾燥ナツメの見分け方をご紹介します。 皮にツワが多いもの、色が茶褐色になっているもの、ツヤのないものは避けましょう。また、大粒で軽く押してみてフカフカするよう…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
■果物です
正解:ナツメ
難易度:★★★★☆
生のナツメは入手困難!?
ナツメは、クロウメモドキ科ナツメ属に分類される落葉広葉樹で、楕円形の果実を食用とします。
日本では、生のナツメがほかのフルーツのようにスーパーなどで販売されていることはありませんが、中国では「モモ・クリ・アンズ・スモモ」に並ぶ五果のひとつとして古くから日常的に食べられている果実です。
日本に伝わったのは奈良時代といわれていますが、おもに漢方薬としての位置づけで、その後も観賞用などとして栽培されることはありましたが、食用としての商業栽培の普及はいまひとつで、現在でも主要な果物に指定されていない特産果樹としての扱いとなっています。
日本での生産量トップは福井県で、全国生産量の約97%を占めています。残りは岐阜県で、この2県で日本の生産量のほぼすべてが占められています。
いままでは生のナツメは生産地近辺ではないと購入することが難しかったのですが、最近では、ネット通販などで購入することが可能となってきています。
生のナツメにはほんのりとした甘みと酸味があり、食感は、リンゴやナシのようにシャキシャキとしています。乾燥させると、甘みに黒糖のようなコクが出ます。
諸説ありますが、夏に入って芽が出ることが名前の由来といわれています。その由来どおり、5月~7月に開花し、9月~10月前後に収穫できるようになります。
果皮は、未熟なときは淡緑色ですが、熟してくると赤~赤褐色と変化していきます。赤くなるほど甘みが強くなりますが、熟れすぎると腐ってしまうので、早めに収穫されるのが一般的です。
国内の市場に出回るのは乾燥ナツメです。ドライフルーツのようにそのまま食べてもOK。スープや煮物に加えたり、砂糖と煮詰めてコンポートやジャムにしたり、果実酒にしたり、煎じてお茶にしたりと、さまざまな使い方ができます。
韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)には欠かせない食材です。
美味しいナツメの見分け方
生のものは入手が難しいため、ここでは乾燥ナツメの見分け方をご紹介します。
皮にツワが多いもの、色が茶褐色になっているもの、ツヤのないものは避けましょう。また、大粒で軽く押してみてフカフカするような感覚を覚えるようなもののほうが肉厚です。
砂糖などの添加物を使用していないものがおすすめです。
ナツメの注目栄養素
中国では、「1日3粒ナツメを食べると一生老いない(日食三顆棗、終生不顕老)」といわれるほど薬効の高い果物とされています。実際、楊貴妃は美を保つために、毎日3粒のナツメを食べていたとか。
乾燥ナツメは漢方薬では「大棗(たいそう)」と呼ばれ、風邪症状の緩和、鎮痛、消化促進、整腸、精神安定など、さまざまな効果があるといわれています。
ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄、葉酸、食物繊維など、健康維持に欠かせない栄養素が含まれています。とくに造血のビタミンといわれる葉酸と鉄が同時にとれるため、貧血気味の人にはおすすめです。
食物繊維が多いため、食べすぎるとお腹がゆるくなることがあるので注意が必要です。また、糖分も多いため、糖質過多になることも……。
ということで、楊貴妃を見習って1日3粒程度とするのが賢明です。
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。