歴代陛下の出席
戦後はじまった全国戦没者追悼式には、昭和、平成、令和と歴代、天皇の出席は今も続いている。昭和天皇は28回、平成の時代には上皇陛下が30回、令和の今は6回と、これまでに64回を数え、欠席は一度もない。昭和天皇は、1988(昭和63)年の病気療養中でさえも、“みずからの意志”により出席されている。歴代の皇后陛下もそろって出席しているが、香淳皇后は1977(昭和52)年と1981(昭56)年以降は欠席された。
例年、5000人前後の遺族が参列し、行われてきた全国戦没者追悼式だが、2020(令和2)年以降は新型コロナウイルスの感染拡大により人数を制限したこともあり、参列した遺族が55人という年もあった。2024年(令和6年)は、5年ぶりに全都道府県から遺族3055人が参列した。戦後79年が経過したということもあり、戦没者の父母は2011(平成23)年以降の参列は見られない。18歳未満の遺族も、玄孫(やしゃご)を含め60名が参列した。来年は戦後80年、全国戦没者追悼式は65回目を迎える。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。