車名ランキングをボディタイプ別に出すと、売れ行きがわかりやすい
こうなると小型/普通車登録台数をボディタイプ別にランキングした場合、車名別とは順位に変化が生じる。1位はコンパクトミニバンのシエンタで、1か月平均は約9240台だ。2位はヴェゼルで約7360台、3位はヤリスクロスで前述の約7260台、4位はセレナで約6690台になり、5位が僅差でカローラクロスの約6660台になる。
シエンタの人気は絶大で、ヴェゼルも納期の短縮とマイナーチェンジの効果で2位に浮上した。セレナも好調だ。統計上の日産の販売1位はノートだが、ノートとノートオーラを別の車種とすれば(実際に日産の広告では「オーラ」として別に扱っている)、セレナが1位に浮上する。
以上のように販売ランキングの実態は、世間一般の認識とは異なる。2024年上半期の小型/普通車市場で、トヨタのシェアは48%だったから、販売が好調なことは事実だ。しかしボディタイプ別の販売ランキングを見ると、1位はトヨタのシエンタでも、2位はホンダのヴェゼルで、4位には日産セレナが入った。
このような販売ランキングになる理由は、トヨタが複数の車種によるチームワークで売れ行きを増やしているからだ。この販売戦略には、それぞれのクルマ造りも影響を与えており、シエンタを見ると良く分かる。