もはや定番? の『どん兵衛』で試してみた
今回試した「カップ麺の中身を耐熱容器に移してラップをかけて電子レンジで調理」という調理法は、レシピとして日清食品グループのホームページでも紹介されている手法だ。
ただしカップヌードルではなくて、即席カップうどんの『どん兵衛』(税込254円)のレシピだ。『レンチン洋風どん兵衛』というのがそれで、バターを落としてコショウを少々振ることで、いつもとは違う『どん兵衛』が楽しめるというものだ。
『レンチン洋風どん兵衛』は、より美味などん兵衛を作るためのレシピとなっているので、手間がかかる。まず耐熱容器に移した中身にお湯を入れたうえで、ラップをして電子レンジにかけるのだ。手間をかけることで、どん兵衛の味は格段に良くなる。
麺の魅力が最大限に引き出されたおかげで、生麺のようなコシと食感が楽しめるのだ。隠されていたどん兵衛の実力が存分に表現される調理法だ。
今回はカップヌードルに合わせて、味よりも簡便さを求めて、水から作ってみよう。
麺の魅力は引き出せるが、つゆが濁る「水からレンチン」どん兵衛
『どん兵衛』から取り出した麺とおあげを、耐熱のどんぶりに移すのは簡単だ。カップヌードルのように苦労することはない。頭がどんぶりからはみ出すこともない。
粉末スープを入れて、麺が隠れるまで水を入れたら、ラップをして電子レンジにかける。500ワットの電子レンジで5分にセットした。どん兵衛には関東版と関西版があるが、今回使うのは関東で手に入れた関東版だ。
結論からいえば、5分では少々煮込みすぎた。麺は普通にお湯を注ぐよりもモチモチして旨いのだが、『レンチン洋風どん兵衛』よりも輪郭があいまいだ。そのぶん、麺がつゆに溶け出して味に濁りが生じている。
4分か、あるいは4分30秒なら良かったのか。しかし、麺の中心部分はちょうどいい煮込み加減だったように感じられる。水から始めたデメリットはこのあたりに表れるのだろう。
水からの電子レンジ加熱では、麺の外部と内部とで最適な加熱時間にズレが生じる。太めの麺もこの調理法ではアダとなって、スイートスポットがあるとしても、かなり狭い範囲になりそうだ。充分に美味な仕上がりだし、普通に湯を入れる調理法とは違った感触なので、目先を変える効果はある。
しかし、どんぶりに移してラップをかける手間をかけるなら、もうひと手間、沸かした湯から始めて『レンチン洋風どん兵衛』同様の「パーフェクトな」どん兵衛に仕上げたほうが幸せが大きいだろう。
カップ麺と電子レンジの組み合わせは、他にもいろいろな可能性を見せてくれそうだ。
リンク先:日清食品グループ「よくあるご質問」,「レンチン洋風どん兵衛」,「カップヌードル(米国版)」
文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家