両国『江戸蕎麦手打處 岩ぶち』
『岩ぶち』の夜は近所のお馴染みさんでにぎわっていた。手書きボードには本日のおすすめのつまみがズラリで、日本酒の揃えもセンス良し。居酒屋のような気取らない風情も心地いい。とは言っても店主は江戸期創業の「あさだ」出身で、確かな技をさりげなく詰め込んでいる。
細すぎず、太すぎずのちょうどよい塩梅の蕎麦は、自身が惚れ込んだ赤城山麓産をブレンドし甘みと香りを引き出した。天ぷらは専門店顔負けのネタを揃えゴマ油の香りの衣で包み込む。
どれも実直な旨さに満ちていて、この先ずっと愛される町蕎麦になること間違いなしだ。
…つづく「東京のうまい 「東京老舗の「絶品そば」ベスト3店…のどごし最強クラスの絶品を《浅草・目白・小川町》で見つけた」では、あまたひしめくそば屋の中から、選りすぐりのお店を紹介します。
『おとなの週末』2022年1月号より(※本内容は発売時のものです)