浅草橋『手打ちそば 和仁』
書きを開けば旬の魚介の刺身に煮物や焼物が並び、隣の席のグループはホクホク顔で鍋を囲んでいる。和食も学んだ店主による料理は、どれも品のいい味わいで、割烹としても充分な実力にのけぞった。
加えて〆には絶対的エースの手打ち蕎麦が控えている。それもわざわざ3種類を打ち分けるのだ。二八はもっちりのど越し良く、十割は素朴な甘みにあふれ、丸抜きをコーヒーミルで挽いた粗挽きは香りが弾けるように広がっていく。
ここの料理と蕎麦を味わえば、どちらにも全力を注ぐ店主の真摯な仕事ぶりがしみじみ伝わってくるはずだ。
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祖師ヶ谷大蔵『遊香里荘』...
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