江戸時代から受け継がれる、「どんぶり仕込み」で造る焼酎
その先には、「焼酎仕込み蔵」が見えてくる。現代の焼酎造りは二次仕込み法を活用するのが一般的だが、この蔵では明治時代まで主流だった麹や原料、酵母、水をいっぺんに甕に入れて仕込み発酵させる「どんぶり仕込み」を採用して焼酎を製造しているそうだ。
造られているのは、鹿児島県産のさつまいもと幻と呼ばれた「黄金麹(おうごんこうじ)」で仕込み、華やかな香りと深くまろやかな味わいを実現した、「薩摩焼酎金山蔵」。
世界三大酒類コンテストのひとつとされる「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2023」では、焼酎部門で最高賞となるダブルゴールドを受賞した、『薩摩金山蔵』が誇る一品だ。
さらにその先には、焼酎の原酒が1000リットル入ったかめが200本以上も並ぶ「長期熟成貯蔵庫」が見えてくる。焼酎の香りが漂っており、10年以上貯蔵された原酒もある。ここで造られている本格芋焼酎の1つに「熟成と共に福来たり」という銘柄がある。幻の麹といわれる黄金麹を用い、昔ながらのどんぶり仕込みを再現して造られた焼酎だ。