今か今かと冬を待ちわびる至宝の蕎麦『布恒更科』@大森
待ってました!と大喝采で迎えたい冬のご馳走。これしか食べない客もいる季節限定の牡蠣の天ぷら蕎麦だ。丸々と太った身を口に運ぶや1秒で旨み爆発、充満するミルキーなコク。産地は岩手の小友地区にこだわり、その揺るぎない品質のよさゆえ手に入らない時は他で代替しないそう。潔い……。ならば食べ手も今この瞬間に味わえる感謝の気持ちが沸き起こるのである。
季節の天ぷらそば(かき) 3120円 ※1月末頃まで
蕎麦は「常陸秋そば」を外二で打つしなやかさ。かけ用のツユはキリリと醤油を立たせるのも特徴だ。ちなみに冷たい蕎麦のツユは寝かせてまろやかさを出している。
さて店は言わずと知れた江戸蕎麦御三家の更科系譜の老舗だが、伝統に頼ることなく「時代に合わせて自分の代でやるべき仕事に取り組みたい」と店主。さらりとおっしゃるがこれ大変なこと。長く続く店は常に美味への努力を続けているのだ。感服。
週4日ほど豊洲に行き、いい食材を探しています。
[住所]東京都品川区南大井3-18-8
[電話]03-3761-7373
[営業時間]11時半~15時(14時40分LO)、17時~20時(19時50分LO)※祝は昼のみ
[休日]日
[交通]京急本線大森海岸駅から徒歩2分、JR京浜東北線大森駅北口から徒歩10分
撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン(浜町かねこ)、菜々山いく子(浅草 ひら山)、肥田木奈々(布恒更科)
※2025年1月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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