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薬剤師から心機一転、こよなく愛す酒とアテを提供する店を開店

天坂さんが、開店した経緯を語る。

「店を開く2021年までは、20年間、薬剤師だったんです。この店舗は、IT関連の仕事をしている夫と友人が自分たちの遊び場を作りたいと副業でバーを始めた場所。2020年になると、コロナが流行し、今後バーを継続するか迷いが生まれ、その頃病院での薬剤師の仕事に疑問を感じ始めていた私が、物件を引き継ぎ、ずっと好きだった酒とアテと音楽を軸にした店を開店と決めました」

2人はそれぞれ、東京都港区と立川市の出身。京島のある隅田川の東側、いわゆる「墨東」の辺りは、土地勘がなかったが、他の若手店主と同様に、長屋など古い木造家屋が残る街並みに惹かれ、天坂さんの夫が、2018年にバーを始めたという。

薬剤師だった天坂さん

薬剤師だった天坂さんが提供する料理は、薬膳の要素をプラスしたスパイシーな「チャーシュー」のほか、ほっとする味わいの「紅芯大根とタコの浅漬け」やシャキシャキとした食感とレモンの酸味がクセになる「切干大根とツナの塩レモンマリネ」など、顔の見える生産者が作った野菜を使った、カラダにやさしいアテがメインだ。

5種のアテと日本酒2種がセットになった満足感抜群の「日本酒飲み比べセット」(1500円)

中野区の病院で働いていた頃、揚げ物をよく食べる人や酒だけを淡々と飲んでいる人が生活習慣病になりやすいという事実を目の当たりにし、「せめて罪悪感を払拭できる、健康的なつまみを提供したい」と強く思うようになったそうだ。

特に力を入れているという日本酒は、店主が目利きした全国の珍しい銘柄のものが揃う

現在は中国の中医学の医師である「中医師」(中国における国家資格)に近しい知識を持つ「国際中医薬師」という資格を取得し、身体バランスの崩れをニュートラルに戻すための「薬膳」の要素を絡めた料理を提供することをモットーとしている。

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空気感とコミュニティに惹かれた京島...
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中村友美
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