雨後の筍のように新店が現われる都内のラーメン店。その中でもキラリと光る醤油ラーメンの“名店候補”を見つけました。醤油ラーメンといえば、鶏や豚に煮干しといった素材にカエシを合わせたスープ。素材を活かして旨みを出せば、醤油を効かせてほっこり懐かしい味わいで勝負する店も。そんな”らしさ“あふれる王道の一杯を紹介します。
画像ギャラリー雨後の筍のように新店が現われる都内のラーメン店。その中でもキラリと光る醤油ラーメンの“名店候補”を、東急沿線で見つけました。醤油ラーメンといえば、鶏や豚に煮干しといった素材にカエシを合わせたスープ。素材を活かして旨みを出せば、醤油を効かせてほっこり懐かしい味わいで勝負する店も。そんな“らしさ”あふれる王道の一杯を紹介します。
【2024年1月22日OPEN!】煮干しと節類の旨みが詰まった上質な中華そば『奈つやの中華そば』@下丸子
店の前にある待合室に並べるのは朝8時から。そこから人が増え続け、長い行列ができる。みんなのお目当てはダシ感たっぷりの中華そば。
奈つやのもちもち雲呑中華そば1250円
スープには平子やカタクチ、伊吹いりこといった煮干しを軸に節類もふんだんに使われていて、啜り心地のよい細麺にも力強い魚介の旨みがのる。湯気から立ち上る煮干しの香気にもくらくら。動物系の豊かな旨みを土台にしているので、重厚感だって申し分ない。
鮮烈な味をさらに忘れ得ぬものにしているのが、9割もの人が注文する名物トッピング「もちもち雲呑」。もち姫100%で作った厚めの皮は、もちもちちゅるんとした魅惑的な食感で、ラーメンのインパクトと満足度を底上げしている。
店主:平林利幸さん、女将:奈津子さん「日替わり『奈つこの今日のごはん』も好評です!」
[住所]東京都大田区下丸子4-4-8
[電話]非公開
[営業時間]11時半~14時半(スープがなくなり次第終了)
[休日]火・金
[交通]東急多摩川線下丸子駅多摩川方面出口から徒歩3分
※価格改定の予定あり
【2024年10月11日OPEN!】注文ごとに切り出すもっちり食感の手打ち&手揉み麺『手打ちあさま』@中目黒
数多の店を食べ歩いた中で最も惚れ込んだ味が、八丁堀にある『麺や七彩』だった。脱サラをして弟子入り。
ラーメンの佇まいからも名店のDNAが見え隠れするが、本家よりもスープはあっさり、麺はもちもち。“毎日食べても飽きないラーメン”を目指し、独自の一杯を作り上げた。
特製らーめん1900円
地鶏の黒さつま鶏をベースに煮干しや昆布、節類などの旨みを効かせたスープは、和の味わいが際立つ印象。北海道産小麦で作る手打ちの平打ち麺は、強めに揉むことでスープの優しい旨みを肌にしっかり纏わせている。
麺量は並でも150gと十分な盛りながら、中盛り(200g)をぺろりと平らげる年配客も多いそう。すでに地域住民にも愛されている。
店主:大塚さん、女将:ひろ子さん「目の前で麺を切るライブ感を楽しんでください」
[住所]東京都目黒区上目黒2-13-7ハイベール上目黒
[電話]非公開
[営業時間]11時半~15時(麺が売り切れ次第終了)
[休日]木
[交通]東急東横線・地下鉄日比谷線中目黒駅東口2から徒歩2分
【2024年8月1日OPEN!】鶏ガラベースに自家製ちぢれ麺。昔ながらが最高『山形中華そば麺や一球』@武蔵小山
ラーメン消費量日本一を何度も獲得しているという山形県。その山形の名店『金ちゃんラーメン』で修業を積んだ店長が開いた店だ。見た瞬間どこか懐かしくなるルックスにほのぼのする。
自家製ワンタン麺1150円
修業先に忠実というスープは黄金色。鶏ガラ、丸鶏、昆布、野菜等を炊いたスープはあっさりしながらもきれいなコクを感じさせ、ブレンドされた醤油の味、仕上げの鶏油も旨みを足している。
そして特筆すべきは自家製ちぢれ麺。1日熟成させ、ひと玉ずつ手揉みされた加水率高めの麺がスープを引っ張り、もちもちしてともかく旨いのだ。
豚バラを使ったチャーシューはとろけるような食感と脂の旨みが抜群、香ばしさも感じさせる自家製だ。何度でも食べたい旨さ。
店長:佐藤克也さん「日々の気温や湿度に合わせて麺打ちしています」
[住所]東京都品川区小山3-5-8ローザンヌビル1階
[電話]070-1246-9191
[営業時間]10時〜15時(14時40分LO)、18時〜21時(20時40分LO)
[休日]火
[交通]東急目黒線武蔵小山駅東口から徒歩3分
【2024年8月27日OPEN!】ひと口目から惹き込まれる力強い節の旨み『中華そばきくたに』@蒲田
ひと口目から、力強い節の旨みがガツンと脳天に響く。インパクトの正体はサバやウルメ、宗田鰹。スープに山盛りの節類を加えることで、後引く旨さの飲み応えあるスープを作り上げた。
チャーシュー麺1210円
もち姫を配合した自家製多加水麺はしっかり茹で切ることで、むっちり官能的な食感を演出。節類の燻香の奥から小麦の香りが開く。とろとろに煮込まれた煮豚の食感や脂の甘みもまた魅惑的で、思わず頬がほころんでしまう。
箸休めには、ぜひともサイドメニューの「鮪ちらし」を。節がガッツリ効いたスープとマグロのたたきの合うことといったら。相乗効果でレンゲも進む、進む。完食完飲率が高いと聞いて、なるほど納得。だって、箸もレンゲも止まらないもの。
店主:田中基継さん「ダシの余韻が残るラーメンを目指しました!」
[住所]東京都大田区西蒲田7-65-8
[電話]なし
[営業時間]11時~14時45分LO、17時~21時45分LO
[休日]無休
[交通]東急多摩川線・池上線蒲田駅、JR京浜東北線蒲田駅西口から徒歩3分
撮影/西崎進也(奈つやの中華そば、あさま、きくたに)、小島昇(麺や一球)、取材/松井さおり(奈つやの中華そば、あさま、きくたに)、池田一郎(麺や一球)
■おとなの週末2025年4月号は「おいしい空港」
※2025年2月号発売時点の情報です。
※味玉は撮影用にカットしています。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「【どこまでも旨い】 プロが目利きした全国屈指の【美味ラーメン四天王】」では、業界最高権威「TRYラーメン大賞」の名だたる審査員7名が、全国を食べ歩いたなかで厳選した「おすすめの一杯」をレポートしています。
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