ただ甘いだけじゃない。素材や形、色合いで季節感までも楽しませてくれるのが、日本の甘味なんです。今回は春の訪れを伝えてくれる桜もちを集めました。3月3日のひな祭りを祝う甘味ながら、桜葉があるうちは提供という店も多い。桜葉の味わい、香りに春を感じてください。
今年はビンテージイヤー?餡と葉とお茶との見事な三角関係『志むら』@目白
桜葉は、「生り物(なりもの)」と呼ばれ、年によって出来不出来や状態が違う。
「今年はすごくいいです。当たり年です」と女将の志村友子さん。「うちは、葉っぱごとお召し上がりいただくことを考えて味のバランスを取っています」と話す。
桜餅280円(桜餅、道明寺ともに。セット880円〈煎茶か抹茶付き〉)
確かに餡と葉とお茶の見事な三角関係を感じられる。葉は真空パックではなく樽のまま購入し、時期によって塩抜きの加減を徐々に変える手間をかける。
理由は、昭和14年創業の伝統の餡は糖度が高く、昔ながらのしっかりとした甘さだから。桜葉の塩加減で味にメリハリをつけるのだ。皮は白玉粉、小麦粉を混ぜて焼き、ふんわり厚め仕上げ。
一方、関西風(道明寺)は道明寺粉を使わず、工房で餅米を半潰しにして仕込む自家製餅で作る。炊き上がり感があって、水気を含んでふっくらした個性派だ。
[住所]東京都豊島区目白3-13-3
[電話]03-3953-3388
[営業時間]9時〜18時(喫茶9時半〜17時半LO)
[休日]日(月に不定休あり)
[交通]JR山手線目白駅から徒歩3分
※桜餅は仕入れた桜葉がなくなり次第終了