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あぁもう一個と手が伸びる“爽やか餡”『栄泉堂岡埜』@千石

桜葉の香り(クマリン)が漂う店内。

当代店主の氏家史博さんは「桜餅を作り始めると、日が長くなってくる。作り手としても解放感があって、気分が明るくなる餅です」と話す。

桜餅、道明寺ともに259円

『栄泉堂岡埜』(右)桜餅、(左)道明寺ともに259円 創業明治35年。関東風の皮は白玉粉と小麦粉を焼いたもの。関西風は乾燥餅米を粗く砕いた道明寺粉を炊いて餡を包む

爽やかでみずみずしいのど越しのこし餡を関東風桜餅に、豆皮と粒が立って咀嚼感を楽しめる粒餡を道明寺(関西風)として、丁寧に仕込む。

「ひとつ食べ終わったときに、もう一個と手が伸びる感じ」(店主)をイメージしてバランスを整えた桜餅は、品よく繊細に仕上がった逸品だ。

[住所]東京都文京区本駒込6-2-1栄泉堂ビル1階
[電話]03-3946-0141
[営業時間]9時〜18時
[休日]日(祝の場合は営業)
[交通]地下鉄三田線千石駅A4出口から徒歩1分
※仕入れた桜葉がなくなり次第終了

生地はもっちりで食べ応え十分『餅甚』@平和島

旧東海道沿いのお店。享保元(1716)年の創業からあべ川餅を始め、江戸の旅人(たびにん)に休息を与えてきた。

桜餅は厚めでもちもちした皮が非常に個性的で、食べ応えがある。

桜餅200円

『餅甚』桜餅 200円 「餡こそが店の命」と店主。北海道産小豆「豊祝」を仕入れている。水は敷地内で汲む井戸水を使用するのも特徴的

11代目の福本義孝さん曰く「おいしいものを作ろうとこうなった」。

ピンクが爽やかこし餡、白がコクのあるつぶ餡。関東風、関西風、それぞれ組み合わせて計4種類をラインナップしているのも行き交う客を楽しませる伝統の思いやり。他におはぎと赤飯も絶品でファンが多い。

[住所]東京都大田区大森東1-4-3
[電話]03-3761-6196
[営業時間]9時〜18時
[休日]火
[交通]京浜急行平和島駅東口から徒歩5分
※春のお彼岸前後までの販売

桜葉の移り香をまとわせた極上の味『本郷三原堂』@本郷

「おいしいと思う形がこうなりました」という桜餅は2枚の桜葉が餅を包む流線型。一方の餅米を使う道明寺もころりとして食欲をそそる。

桜餅270円、ひな桜(道明寺)270円

『本郷三原堂』(左)桜餅270円、(右)ひな桜(道明寺) 270円 桜葉は外して食べることを想定している。「ほんのり塩気が欲しければ、葉をちぎって少し口にするのがベターです」

昭和7年に祖父が創業した菓子屋を継ぐ大森葉子さんが気を配るのは、その形に加え、餅と餡の味わい、そしてそこに移る桜の香りの黄金比とも呼べるバランスで、桜葉の塩抜き加減も大切だという。

手間をかけた桜餅をさらにおいしくいただくコツは「お茶を淹れて召し上がって欲しいです」。ホッとする時間こそ、儚い桜餅の贅沢さなのだ。

[住所]東京都文京区本郷3-34-5
[電話]03-3811-4489
[営業時間]9時半〜18時、土・祝は10時〜
[休日]日
[交通]地下鉄丸ノ内線ほか本郷三丁目駅から徒歩1分
※桜が散るころまでの販売

撮影/西崎進也(志むら)、鵜澤昭彦(岡埜、餅甚、三原堂)、取材/輔老心

『おとなの週末』2025年4月号

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2025年5月号

※2025年4月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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