由比は日本一の桜エビ!『浜のかきやげや』
その由比界隈にも漁港直営の食堂があると聞き、いてもたってもいられず、すぐ翌週に向かいました。吉原から20キロ弱で由比という宿に到着します(北斎、広重の浮世絵では「由井」表記)。当地から次の宿である興津(こうず)の間に立ちふさがるのが有名な「さった峠」。赤人のころはこの界隈を田子の浦と呼んだとされる説が有力で、広重の浮世絵「由井」でもさった峠から見た綺麗な富士山が描かれています。広重とほぼ同じアングルで撮影した筆者の写真をご紹介します。
さて、由比と言えば「桜エビ」が名物で、JR東海道線の由比駅前には「日本一の桜エビ」の看板があるほど。そして当地にある漁港直営の食堂が『浜のかきやげや』です。場所は少しわかりにくいですが、駅からほどなくして太平洋を目の前にのぞむ食堂に到着します。
いただいたのは「ミニ生桜えび丼」と単品で「かきあげ」。やはり両方食べてしまいました。生の桜えびはプリっとした触感がたまりませんし、かきあげの甘い味わいも最高です。さった峠からの桜エビツアー、ぜひ夏休みにいかがでしょうか。ちなみに筆者は自転車で峠に登りましたが、なかなかの激坂でした。赤人から北斎、広重まで、昔の人の健脚に驚くばかりです。
今回は、東海道の漁港直営食堂をご紹介しました。それにしてもアジもしらすも桜えびも罪な食材です。生あじ丼かアジフライか、生しらすか釜揚げか、生桜えびかからあげか。これほど選択に困るメニューもありません。江戸時代はどんな食べ方をしていたのか、北斎や広重に聞いてみたいものです。
文・写真/十朱伸吾
おとなの週末Web専属ライター。旅と食とビールと競馬をこよなく愛する。ツーリングとゴルフも趣味。ツーリングの成果でダイエットにも成功。
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