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それぞれの料理に合わせてタイプの異なる酒を楽しむ

「軟水の海側のエリアでは、料理に甘口の酒を合わせて甘みを増幅させた美味しさが好まれます。一方、当蔵がある小城市など中硬水が湧く山側では辛口の酒を合わせて、酒で料理の甘さを切って口をすっきりさせる傾向があります」

「天山」は辛口の酒。とはいえ、さらりとした飲み心地の淡麗辛口ではなく、コクや余韻もしっかりとある濃醇辛口タイプが伝統的に造られてきた。その真骨頂が後藤さんの定番晩酌酒でもある本醸造の「超辛口天山」だ。熱燗につけて、甘めのダシ汁をはった揚げ出し豆腐と合わせる。ダシの旨みがパッとふくらみ、スッとキレるから、いくらでも飲めそうだ。

甘い醤油がきいたダシ汁の揚げ出し豆腐、佐賀県産のブランド地鶏であるみつせ鶏は、大好きな晩酌の友。この日はみつせ鶏のぼんじりをシンプルに塩焼きに。羊羹と粕取り焼酎の組み合わせにも後藤潤さんは目がない

大好物である佐賀産地鶏・みつせ鶏に合わせたのは、現代の食生活にマッチする酒として2001年から造る「七田」。最もスタンダードな純米を常温で酌む。

「鶏の脂、肉の旨みには酸がしっかりある酒がよく合う。味付けは塩胡椒だけですが、酒と一緒になると味が驚くほど広がります」

大の酒好きの後藤さんの晩酌は、週2回ほどと意外に少ない。5年前に始めた筋トレが習慣となり、筋トレの日は筋肉の成長を優先して飲酒を控えるからだ。お気に入りの筋トレメニューはハンギングワイパー(ぜひ検索してどんな動きかご確認を)。蔵元曰く、現在の後藤さんは「見違えるほど引き締まった」らしい。

作業の合間に、物干し用のパイプを使って筋トレすることも。懸垂は26回できるようになった

〆には吟醸粕を再発酵させ蒸留する粕取り焼酎「七田」を羊羹と共に味わう。ブドウの搾りかすで造るイタリアの蒸留酒・グラッパのように、食後酒として格好だと言う。杜氏の晩酌は、お待ちかねのチートデイでもあった。

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1861年創業、主力商品は「天山」「七田」
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おとなの週末Web編集部
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