×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

カナダ人に愛されている味覚の甘みを生かす

「RYUS NOODLE BAR」の店主、高橋隆一郎さんは、日本の飲食店で6年間働いたのち、2009年にカナダ・バンクーバーへ留学。その後、バンクーバーの飲食店で働き、永住権を獲得しました。2013年に独立したのを機にトロントへ移住し、「RYUS NOODLE BAR」を開業しました。和名の屋号は「麺や颯」。目指すラーメンは、「本格的な日本のラーメン」と「カナダ人が好む味覚」の融合。

創業者の髙橋隆一郎さんは2009年にカナダへ留学し、その後は飲食店で働き永住権を得て、2013年に独立開業

“人種のモザイク”であるトロントでは、さまざまな食文化が存在し、味の嗜好性は、北米特有のバーベキューソースなどに代表される、甘みや、辛みなど、味がはっきりしたものが好まれます。

高橋さんによると、「甘みは、とくにカナダ人に愛されている味覚です。しかし単純に砂糖などで甘さを出すのではなく、野菜を中心とした食材が持つ甘みを最大限に生かすのです。カナダ人の味覚になじむように研究を重ね、なおかつ日本人が食べても、おいしいと思える味わいを目指しました」―とのこと。

実際、カナダの料理はやや甘い味付けが多いのが特徴です。カナダの国旗にも描かれているメイプルリーフ(サトウカエデ)。先住民たちがカエデの樹液を、石のように固い「メイプルシュガー」と呼ばれる砂糖の塊にして保存したものです。過酷な冬を生き抜くための貴重なエネルギー源としていました。

鶏+野菜+魚介ダシ=カナディアン鶏白湯

また、トロントはさまざまな信仰や思想、嗜好の人々が住んでいるため、ベジタブルラーメンは必須になります。また、スープに使う動物系素材には豚を使わず、鶏メインで作っています。

調理中の髙橋さん。さまざまな人種、宗教を持つ人が多いため、スープは鶏メインで作る

「RYUS NOODLE BAR」のシグニチャーメニューである「RYUS鶏白湯ラーメン」は、良質な鶏と野菜を長時間弱火で煮込み、一晩熟成。翌日、一気に強火で炊き上げて白湯に仕上げます。

鶏白湯スープは鶏の旨みと野菜ポタージュの甘みに、魚介ダシのコクを融合させたカナディアン鶏白湯

長時間かけて抽出した鶏の旨みと、野菜ポタージュの甘み、そして凝縮した魚介ダシのコクが調和した鶏白湯は、日本では味わえない独自性に富んだ、まさに“カナディアン鶏白湯”です。

麺はスープとのバランスを考え自然な旨み、甘みを出すようミネラル豊富な全粒粉を使用した中細のストレート。チャーシューは、豚バラ、低温調理した鶏の2種類を使用。ほかには、水菜、メンマ、白キクラゲ、ゴマ、レモンゼスト(レモンの皮のすりおろし)という構成です。

麺は全粒粉を配合した中細のストレート麺
次のページ
コロナ禍の休店を経て、泣く泣くラー博を卒業
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4 5icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

おとなの自動車保険

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌『おとなの週末』。2025年9月16日発売の10月号では、学生街…