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450日かけてつくって、消費期限はたったの2日

200年を超える歴史の間、関東大震災や東京大空襲など大災害や戦災に見舞われました。明治中期に建築された船橋屋本店の建物は1945(昭和20)年3月の空襲で焼失してしまいましたが、発酵澱粉だけは奇跡的に被害を免れ、現在に至るまで伝統的な製法を受け継ぐことができました。

この船橋屋の命ともいえる唯一無二の「無添加発酵製法」で、現在の「くず餅」も作られています。グルテンを取り除き450日の間、乳酸発酵した小麦粉澱粉を蒸しあげるまで、すべて自然のままの無添加製法で丁寧にじっくりとつくります。約450日の製造工程にもかかわらず消費期限はわずか2日間。もっちりしっとりとした「くず餅」の一切れにはこだわりがギュッと詰まっているのです。

『船橋屋亀戸天神前本店』くず餅 撮影/貝塚隆

「腸内環境を整える!」とか「ダイエットにいい!」と言われる発酵食品ですが、温暖で湿度が高い日本には、昔から味噌、醤油、酢、みりん、糠漬けなど多くの発酵食品があります。そのなかでも「くず餅」は和菓子の中で唯一の発酵食品であることを初めて知り、日本の食文化の奥深さを改めて感じました。

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おとなの週末Web編集部
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