路地裏の温泉“おたっしゃん湯” 番台に座るのは御年93歳!
小浜温泉に行ったら、外せないのが昭和レトロな趣の『脇浜温泉浴場』。通称「おたっしゃん湯」だ。国道57号線から1本入った湯の町通りを歩き、さらに路地裏へと入ると、趣ある建物が見えてくる。
番台に座っていたのは宅島美代子さん。なんと御年、93歳。脇浜温泉浴場に嫁いだ美代子さんは今は閉館してしまった旅館『小浜荘』を2004(平成16)年に取得し、2016(平成28)年に廃業するまで旅館の女将業も12年間にわたってやっていたそうだ。
「おたっしゃん湯」は、美代子さんの舅ら親族3人が昭和12(1937)年に共同で立ち上げた。その名前は、美代子さんの姑の一番上のお姉さんの名前にちなんで“「おタシさん」の湯”ということらしい。
約100℃の源泉と天然水をあわせて、あつ湯とぬる湯に分かれた浴槽を入浴客が好みの温度に調整する。
地元の人の憩いの湯なので、「お正月から入りたい」という声もあって、休みなく営業をしているそう。温泉は透明だが、少し白くも見える。
泉質は体の巡りが良くなる塩化物泉で、まったりとした肌触りが心地よく、芯から温まってぽかぽかになる。入ったあとはしばらく汗がひかないほどで、小浜温泉の温泉力を体感できる。
のどかな路地裏の風景に癒され、しっかり温まって帰りたい。
なお、旧小浜荘の建物は、「おたっしゃん湯別館」(仮)として、今後、近隣の人がショートステイできる場所づくりを行っていくそうだ。




