緻密に計算された仕事が生み出すシンプルイズベストの旨さ@『カンティーナ アルコ』
【西のペペロンチーノ】
「熱々の皿で熱々のパスタが登場。ニンニクの香りが立ち上り、その風味と刺激を味わい、唐辛子のパンチも楽しむという感じです。深夜遅くまで営業というのもうれしい限りです」(門)
ニンニクと唐辛子のスパゲッティ1500円
牧元さん、アーリオ・オーリオとはニンニクとオリーブオイルのソースです。イタリア料理のパスタ部門では首位を争う人気メニュー、自宅でも簡単にできるひと品でもあります。
そこで僕が選んだのは京都の『カンティーナ・アルコ』というイタリアン。オーナーシェフの清水美絵さん率いる女性中心のトラットリアです。
「ニンニクと唐辛子のスパゲッティ」は、ニンニクの風味と味わいが口中に広がった後に甘みがやってきます。このメニューのポイントはニンニクの扱いにあります。ニンニクのサイズをどうするか。みじん切りにすればその強さが全面に出てきます。また包丁で切るのではなく手でガツンと押しつぶすと香りが立ち上ります。
清水さんは「あまり細かく切らずに2ミリぐらいの厚さにします。香りと甘さを出したいからです」と話します。また、ペペロンチーノには欠かせない唐辛子の姿があまり見えないのです。アフリカ産唐辛子をイタリアで加工した、小さなサイズを使うとか。
「これも辛さというより風味を生かすための選択です」。これらの作戦が見事に功を奏した味わいに感動を覚えました。シンプルなパスタゆえ、細部の組み立てが素敵な成果を生み出すのだと思うのです。牧元さん、女性スタッフはみんな明るく、深夜は京都の料理人が集まってきます。楽しい宴をやりませんか!
[店名]『カンティーナ アルコ』
[住所]京都府京都市中京区蛸薬師通麩屋町西入ル油屋町145洋燈館1階
[電話]075-708-6360
[営業時間]カフェ・バール14時~17時(16時半LO)、ディナー18時~翌1時(24時半LO)
[休日]水、月1回不定休で連休あり
[交通]阪急京都線京都河原町駅11番出口から徒歩5分
門上武司
小誌でもおなじみの、あらゆる食情報に精通している西のグルメ王。食関連の執筆・編集を中心に、各メディアに露出多数。関西の食雑誌『あまから手帖』の編集顧問も務める。
※掲載情報は取材時のものになります。内容に変更が生じる場合があります。詳細は店舗にお問い合わせください。
文/マッキー牧元(東)、門上武司(西)撮影/鵜澤昭彦(東)、松浦稔(西)
※月刊情報誌『おとなの週末』2025年6月号発売時点の情報です。
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