母良子さまの車椅子を押して散歩される、陛下と美智子さま
やがて昭和天皇が崩御され、平成の御代となった。良子さまは皇居内の大宮御所にお住まいになり、しだいに衰えていかれた。足腰が弱り、車椅子で移動されるようになった。
平成7(1995)年、美智子さまは天皇陛下(今の上皇陛下)と良子さまのご様子を御歌に詠まれた。
緑蔭
母宮のみ車椅子をゆるやかに押して君ゆかす緑蔭の道
それまで天皇が崩御されたのちの皇太后のお住まいは、皇居の外にあるのが常であった。平成の御代となり、陛下と美智子さまは皇太后良子さまのお住まいを皇居の中の大宮御所とされた。
大宮御所に至る道を、天皇陛下(今の上皇陛下)が母君の車椅子を押して、ゆっくり歩かれる。今はそれがお散歩なのである。陛下の隣を歩かれるのは美智子さま。親孝行される情景が目に浮かぶようである。