【明治22(1889)年創業】守ることを守りつつ今に活かした江戸前の粋が光る『蛇の市 本店』@三越前
まだ日本橋に魚河岸があったころ、その前で屋台を出していたのが始まり。初代・市太郎氏は蛇目(じゃのめ)寿司で修業を積み、愛称は“蛇目の市ちゃん”。それが店名の由来で、名付け親は作家・志賀直哉だという。
店主の寳井(たからい)英晴さんは5代目だ。変わらぬこだわりは、砂糖を使わず、赤酢と塩だけで仕上げた伝統のシャリだ。煮切り醤油が少しだけ甘みを与える。
江戸前鮨10貫5500円
「酢飯は酸っぱくないと。酸味と塩味で魚の甘さを感じ、かんぴょうなどの甘さも立ってくる」。
冷蔵庫のない時代からの手を入れるネタも多い。エビは甘酢に漬け、白身は昆布で締め、シャコを煮る。
ただ「仕事はやり過ぎないようにしてる」とも。「昔の仕事は保存目的で強め。それは少しずつ変えてきた。長く続けるとは守ることは守りつつの変化の歴史」。
見た目の美しさと、隠れた仕事、口中で味が重なり合うバランスまで計算された「ばらちらし」も5代目が生んだもの。本筋を見極めつつ続く老舗の味を楽しみたい。
[店名]『蛇の市 本店』
[住所]東京都中央区日本橋室町1-12-10
[電話]03-3241-3566
[営業時間]11時半~14時(13時半LO)、16時半~22時(21時LO)
[休日]日・祝・月
[交通]地下鉄半蔵門線ほか三越前駅A1出口から徒歩3分



