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外回りと内回り、上りと下りはどっち!?

山手線も大阪環状線も、円の外側を走る路線を外回り、内側を内回りと呼ぶことに変わりはない。しかし、列車の走る方向を示す言葉には“上り”と“下り”がある。円を描くように走る環状路線に、果たして上りと下りという表現は存在するのだろうか。周回運転する電車にも上下の別は存在するのか。鉄道の話題でしばし登場する用語に「列車ダイヤ」、「列車運行図表」という言葉がある。ここに、上下線を示すヒントがあった。

中学二年で習うの数学の教科書に出てくる「一次関数」のところで、必ずといってよいほど“列車ダイヤ”のはなしが登場する。誰もが一度は見聞きしたことがあるのではないだろうか。一次関数は、「YがXの関数であるとき、Xの値を決めるとYの値が一つに決まる」とあり、縦軸(Y)を駅=距離、横軸(X)を時刻として、列車のうごき(運行)をグラフ化することができる。列車ダイヤは、環状運転であろうと一方向への運転であろうと、必ず必要とされる鉄道アイテムだ。

一般的な認識としては、”列車は走っているもの”であり、いちいち上り、下りを気にする人は少ないだろう。例えば東海道新幹線でいえば、東京から西へ向かう列車が下り、その逆が上りなわけだが、「これから下ります」なんて言い方はせず、「新大阪まで行きます」と話す人が大半を占めているはずだ。そのような日常会話のなかで、環状路線を上下の別で表現したところで、周囲から理解を得られるはずもない。

鉄道路線の上りと下りを判別するうえでは、「列車番号」の末尾が偶数か奇数かが重要なカギとなる。具体的には、大阪環状線の場合は天王寺駅、山手線の場合は大崎駅を基準に上りと下りが決められ、天王寺から西九条、大阪、京橋へ向かう電車が下り、大崎から渋谷、新宿、池袋へ向かう電車が下りとなる。もちろんその逆が上りなわけだが、私たちの日常生活においては、どうでもよいの一言で片づけられてしまう話である。

山手線の外回り(下り)は列車番号が奇数なので下り、いっぽうの大阪環状線は外回りが“下り”にもかかわらず列車番号には“偶数”番号が付与されている。東西の環状線の列車番号が、正反対なことはあまり世に知られていない。昭和の時代、この矛盾について国鉄本社運転局へ問いかけたことがあった。答えは「なぜそうなったのかは、わからない」とのことだった。例外中の例外という珍しいケースなのだとか。

国鉄時代の大阪環状線の列車ダイヤの一部。駅名が並ぶ上から下に向かって下り、下から上に向かう方向が上り列車となる=資料所蔵筆者
こちらは、国鉄時代の山手線の列車ダイヤに示された駅名欄。左に書かれるカタカナは、電略と呼ばれ駅名略号=資料所蔵筆者
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日常生活のなかの列車番号
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工藤直通
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