メインは鹿肉 繊細さと野性味が同居する味に感動
ここでリフレッシュメント。野草の酸葉(すいば)と山菜のイタドリを塩漬けしたものをグラニテにした「森の野草」である。
シャキシャキとした食感にとてつもない爽快感が、メインディッシュへの期待を煽る。
ペアリングは、すんきの漬け汁をもとに作られたドリンク。千葉県大多喜町の蒸留所「mitosaya薬草園蒸留所」の蒸留家・江口宏志さんがビネガードリンクのシュラブを再構築して開発したという一杯は、これまた爽快感があった。
いよいよメインディッシュ「森の鹿」。綿のように包まれて届く鹿のロースを使用。ルーカシェフ自らバーナーを持ち、ヒノキの葉でローストしていた。
塊肉をカットするとロゼ色の断面が顔を覗かせる。そのあまりにも美しい色合いから絶妙な焼き加減であることがよくわかった。お皿にはセリが添えられ、春の訪れを愛でる高揚感そのままに、まずはひと切れ。うん、かなりしっとりしている。
勢いにのってもうひと切れ。今度はソースにつけていただく。ソースは、魚醤と香茸のダシを混ぜたものに松の木を焼いて採った液体を加わえたもの。ビターな味で、繊細な肉質とは裏腹に一気に野性味を与えた。
合わせるお酒は、野生酵母を使ったアンフィルターの赤ワイン。エレガントで品がありながらワイルドさもある。少しスモーキーな鹿ロースとビターなソースとの相性抜群だ。





