デザインはシンプル
スペシャルティカーなどの一部はデザインありきで、その後パッケージングを煮詰めるケースもあるが、実用性が重視されるコンパクトカーはパッケージングが先でデザインが後というのが一般的で、初代キューブも『小さな車体と大きな室内』というコンセプトに合わせたデザインを採用。日産が東京モーターショー1989に出展したCHAPEAU(シャポー)のデザインが源流となっているという。ちなみに2代目キューブのコンセプトカーはChappo(シャッポ)で、これはCHAPEAUの名前に由来していて発展形だ。
そのエクステリアデザインはいたってシンプル。ベースとなったマーチがキュートで凝ったデザインが与えられているのとは対照的で、「シンプル過ぎやしませんか?」というレベル。名は体を表すというが、キューブ(CUBE:英語で立方体の意味)の名前がピッタリ。それを突き詰めた究極の立方体デザインが2代目キューブということになる。
初代キューブもただの箱デザインではなく、Cピラーの後端にガラスエリアを設け6ライト化するなど凝った部分もあった。これは後方の死角を減らすのに貢献。
ただエクステリアの全体的なイメージは無機質で、白物家電的な雰囲気であることには変わらず。
コラムシフトでサイドスルー可能に!!
エンジンも2代目マーチと共通ながら、マーチが1Lと1.3Lを搭載していたのに対し、初代キューブはマーチよりも車重があるためエンジンは1.3L、直4DOHCのみ。スペックは最高出力82ps、最大トルク10.8kgm。こんなパワーがないの? と思うかもしれないが、車重が軽いため特に不満の出るレベルではなかった。
このエンジンに組み合わせるのは、4ATと日産が独自開発した無段階変速装置のN・CVTの2種類。特筆はコンパクトカークラスで初めてBOXタイプミニバンで主流となっていたステアリングコラムにシフトレバーを配置したコラムシフトを採用したこと。フロアシフトを採用しなかったのは前席のサイドスルーを実現するためだ。
コンパクトカーとして異例の乗車定員4名
インテリアのデザインもエクステリア同様にシンプル。ダッシュボードなどは樹脂そのままで決して質感は高くないが、安っぽい雰囲気はない。センターコンソール下部にエアコンの温度設定、風量設定、内気循環/外気循環切り替えのダイヤルスイッチを3連で配置するなど、スッキリとまとめられ、操作性にも優れていた。
インテリアカラーはブラックのみで、シート地はシンカーパイルとジャージから選ぶことができた。
コンパクトカーながら室内でゆったり寛げる空間を目指した初代キューブは乗車定員が前席2名/後席2名の4名。ベースとなったマーチをはじめその他メーカーのコンパクトカーが乗車定員5名(前席2人/後席3人)というのが当たり前だったから異質。それゆえ初代キューブのデビュー時は、購入者が限定されるのではないかとネガティブにとらえられていた。
ただ、キューブがターゲットとしていたのは若い世代と夫婦と子ども2人という世帯だったため、販売上大きな問題にはならなかったようだ。ただ、ユーザーから5人乗りを要望する声もあったようで、それに応える形で2000年9月のマイナーチェンジで、乗車定員を4名から5名に変更している。






