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エンジン屋ホンダの力作

1986年当時と言えば、トヨタのハイメカツインカムに代表されるようにDOHCエンジンがもてはやされていた。一般的にバルブを制御するカムが1カム2バルブのSOHCよりも2カム4バルブのDOHCのほうが高性能。トヨタのハイメカツインカムによりDOHCは凄いという認識から当たり前となっていたなか、ホンダはあえてSOHCエンジンを新開発。これが実にホンダらしい点だった。

SOHCながらDOHCに匹敵する高性能エンジンを搭載

初代シティに搭載された1.2L(1237cc)エンジンはただのSOHCではなく、ホンダ独自のセンタープラグの1カム4バルブを採用。これはひとつのカムで4つのバルブを制御するもので、DOHC並みの高出力に加えて低燃費も実現。トヨタのハイメカツインカムは当時、「名ばかりのDOHC」と揶揄されることが多く、自動車評論家からも「ハイメカツインカムよりもDOHC的で高性能」とその評価は高かった。暗に「名ばかりのDOHCはいらない」とアピール。このあたりはエンジンに対するホンダの矜持で、こういった姿勢がホンダファンを魅了する要因となっていた。

1988年のマイチェンで主力エンジンが1.2Lから1.3Lに排気量アップ

競技者から絶大な支持

ワイド&ローフォルムの2代目シティは、既存のシティオーナー、ホンダファンからも否定的に見られてしまったが、ある筋の人たちは大歓迎だった。ある筋とは競技者だ。2代目シティは前述のとおり、走りの面でも所からから大きく改善されていて背が低いため低重心。エンジンもレスポンスに優れポテンシャルが高いということで、国内競技のなかでも特にジムカーナで大活躍。全日本ジムカーナ選手権、地方選手権でエンジンを助手席側にややオフセットして搭載していたスズキカルタスと名勝負を演じた。この活躍の影響もあり、競技のビギナーからも人気が高かった。

一般ユーザーからは人気薄だったが、ジムカーナでは強さを発揮して人気だった

販売台数は3分の1以下レベルに激減

2代目シティは失敗作と言われるが、実際の販売台数はどうだったのか? 初代は1981年11月から1986年10月までに約31万2000台を販売。一方2代目は1986年11月(発表・発売は10月31日)から1995年12月までに約16万8000台。月販平均は初代が約5200台に対し2代目は約1600台と3分の1以下に激減してしまった。

2代目は初代からコンセプトが激変しただけでなくグレードも少なく選択肢が限られたこと、高性能を求めるユーザーにとってターボが設定されていなかったこともシティの苦戦に影響しているように思う。

初代のブルドッグ(シティターボII)のようなターボモデルが切望されていた
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ホンダの朝令暮改
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市原 信幸
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