庭園の手水鉢に落ちた椿を入れたのが花手水のはじまり
花手水を始められたのは2017年頃。住職に就任された日下俊英さんの「参拝される皆さまに、不安な現代にご利益と共に五感を通じて心に平安を」との思いを聞いて、妻で執事の日下恵さんが、名勝庭園「浄土苑」に花を増やせないかと考えました。しかし、京都府指定名勝のため、勝手に手を加えることはできません。
「庭園の手水鉢に庭に落ちていた椿の花を浮かべたら、水面をゆらゆらと漂って、すごくきれいで感動したんです」と恵さん。写真をSNSにアップしても数件の反応しかなく、それでも定期的にお花を浮かべました。
2年ほど過ぎたある日、赤、橙、黄、緑のグラデーションで紅葉の葉を浮かべた写真についた「いいね」の数が10万件、リツイート4万件を超えました。さまざまなネットニュースでも紹介され、北海道から九州まで、全国から手水鉢の花を見にくる参拝者が訪れるようになりました。
花手水は、水のない野外で神事を執り行うとき、花草の露で手を清めることを意味するそうです。「そのことを後に住職から教わりましたが、手水鉢や手水舎に花を浮かべる花手水が広まりすぎたので、本来の意味も知ってほしいです」と恵さん。
境内には、手水舎の「龍手水」、涼やかな音に心が静まる水琴窟の「琴手水」など5つの花手水があります。参拝者に人気の「恋手水」は、浮かべた花でハートの形にしたデザインが話題になったことで、その名を付けたそうです。実はこれを手がけたのは、忙しい恵さんに代わって手がけた日下住職なんだとか。まさに奥様への思いを形にされたのかもしれません。





