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「万遍返し」と「こなし」

そして、串の打ち方が違えば、焼き方も異なります。関東では、余分な脂を落として、うまみを閉じ込める素焼きの工程が重要。火加減を見極めながら何べんも返しつつ焼くので、「万遍返し」と言われています。

一方、関西では「焼き」だけでふっくら仕上げるため、まさに火との格闘です。蒸す工程がないため、蒸し器のサイズを気にする必要もないので、頭も付いた大きいまま。「こなし」と呼ばれる焼きの技は、まるで南京玉すだれのような手つきで、焼き上げます。

関西風は、長いまま熱伝導の良い鉄串を打つ。長い串を操って折りたたむように返す「こなし」。たれをつけながら焼く地焼きスタイル(写真:うなぎたかしろ/千葉・東松戸)

「ふわとろ」と「かりふわ」

肝心な味も、関東風と関西風では魅力が異なります。通の間では、関東風は「ふわとろ」、関西風は「かりふわ」などと表現されます。

関東風の蒲焼は、ふわっとした口当たり。舌の上でとろけるような食感が魅力です。「万遍返し」は、江戸時代に創業したうなぎ屋が継承してきた流儀なので、「江戸前蒲焼」とも呼ばれます。江戸前蒲焼は蒸して余分な脂を落とすため、さっぱりとした味わいで、醤油の効いた、辛口のきりっとしたたれが主流です。皮も箸がすっと入るやわらかさ。

関西風蒲焼は、表面は地焼きならではのかりっとクリスピーな食感で、噛むと中はふわっとしています。脂分多めでジューシーなうなぎに負けないよう、甘めでとろみがあって、コクがあるたれが主流です。

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高城久(たかしろ・ひさし)
うなぎ愛好家。己書家(おのれしょか)。1962年、東京都生まれ。千葉県柏市で、「柏長生館高城整復院」を営む傍ら、うなぎ好きが高じて2004年から、うなぎ屋さん応援サイト「うなぎ大好きドットコム」を運営。夏のうなぎシーズンには、テレビやラジオの出演や雑誌などの原稿依頼を多数こなす。TBS系人気番組『マツコの知らない世界』に異例の2回出演。名古屋のうなぎ専門店「炭焼きの店 うな豊」で見た「うなぎ昇り」の己書(自分の思うままに筆を走らせて表現する「書」)に魅せられ、師範を取得。うなぎと己書で笑顔を広めるため活動中。
「うなぎ大好きドットコム」https://unagi-daisuki.com/
「都道府県別うなぎ屋さんレポート」https://unagi-daisuki.com/eelshop_prefecture
「うなぎ大好きチャンネル」https://www.youtube.com/@eellove

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『おとなの週末』Web編集部
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