今年も猛暑がやってきました。夏といえば「うなぎ」。体力を消耗しがちな真夏に、日本人は昔から栄養満点のうなぎを食べてきました。長い歴史を誇る伝統の味ですが、歴史や風土が異なる関東と関西では大きな違いがあります。この記事は、うなぎ愛好家・高城久さんがうなぎのあらゆる情報を一冊に詰めた「読めばもっとおいしくなる うなぎ大全」から抜粋・加筆してお届けします。【前後編の前編】
「背開き」と「腹開き」
関東と関西のうなぎの蒲焼の作り方をまとめましょう。
関東風:背開きにして頭を落とし、半分に切って竹串を打ち、素焼きにしてから蒸して焼く
関西風:頭を落とさず腹開きにし、そのまま鉄串を打って、蒸さずにそのまま焼く地焼き
まず、関東と関西では捌き方が違います。
武士が多かった江戸(関東)では、腹開きでは切腹を連想されるので背開きになったといわれています。一方、商人文化が根付いていた関西では信頼関係を築くため「腹を割って話す」から腹開きになったとか。
もっともらしく聞こえますが、『守貞漫稿』(江戸時代後期の京都・大阪・江戸の風俗を記録した書物)には「江戸は腹開き」とあります。よく考えてみれば、関東でもうなぎ以外の他の魚は、ワタを取るのに腹を開きますし、何が真実かはやぶの中。
次に、関東と関西の大きな違いは「蒸し」を入れるかどうかです。関東では、蒸してやわらかくなったうなぎが串から落ちないよう、竹串が使われます。一方関西では、焼きにかける時間を少しでも短縮できるよう、熱伝導のよい鉄串が使われます。




