上質感にあふれるインテリア
インテリアは上級車の名に恥じないクォリティの高さを誇った。まず目に入るのはインパネを横断するパッド部分にファブリック素材を採用している点だろう。そのインパネは安全が考慮され、スピードなどの表示とエアコンなどの操作系を分けてレイアウトすることでドライバーの視線移動を極力少なくし、新リフレクター構造を採用すること視認性にも優れていた。今では当たり前で、軽自動車、廉価版のコンパクトカーにも採用されているマルチインフォメーションディスプレイは、当時は上級車のアイテムでアヴァンシアにも当然採用されていた。
一方シートは合成皮革とファブリック素材を組み合わせたコンビネーションシートとなっていて、アヴァンシアの高級感を巧みに演出していた。四座平等を実現させるため、見た目打ではなくロングドライブでも疲れない新たな意匠が採用された。
実は「ホンダ初」がかなり多い
アヴァンシアは、ホンダ初のインパネシフトを採用。これは単にデザインのためではなく、シフトレバーをインパネに置くことで、前席中央部分を開け前述のセンターウォークスルーを実現。
上級グレードのVタイプは3L、 V6SOHCを搭載。最高出力は、215ps/5800rpm、最大トルクは、27.7kgm/5000rpmで、これに5速ATが組み合わされた。当時のホンダにとって5ATは新技術で、アヴァンシアが初採用車だった。
面白いのは、この5ATが単に「ギヤを1段増やした」だけではないこと。ホンダはオデッセイプレステージの4ATをベースに、ワンウェイクラッチなどを組み合わせて5速化。さらにATF油温センサーなどを使って変速ショックを低減していた。
アヴァンシアには2.3L直4 VTEC(150ps/21.0kgm)も搭載されていたが、2.3Lは4AT。つまり、「安いV6車」ではなく、3Lにはちゃんと上級車としての専用メカを与えたというところもポイントだ。
そしてメーカーオプションながら、IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズ・コントロール)も設定。これはレーダーセンサーを使って車間距離を制御するシステムだ。1999年のホンダ車として考えると、「なんでこんなクルマにそこまでやった?」
というレベルなのだが、その心は「新たな上級車だから、乗り味も高級にする」という思想がかなり徹底されていた。
実は足回りも結構マジメ
ここも評価ポイント。サスペンションは、ホンダお得意の前後ダブルウイッシュボーンで、アコード系の基本構造を発展させ、ダンピングフォース、スプリング、スタビライザーなどをアヴァンシア用に最適化。つまり「上級車だから乗り心地はフワフワ」という方向ではなく、快適だけど、ちゃんとホンダらしく走ることを狙っていた。これがホンダの言うところの「シルキーコンフォート」だった。






