本当に美味しい調味料はどれなのか !?
日々の食生活に欠かせないのが、食材や料理の美味しさを引き立ててくれる調味料。せっかくなら良質なものを使って、より味わい深く仕上げたい。
でも巷には商品がたくさんありすぎて、どれが本当に美味しいのか、また食材とどう合わせればいいのか、イマイチわからないことも多いはず。
そこで、多くの家で使用頻度が高いであろう調味料の中でも、「醤油」・「塩」・「オリーブオイル」に着目。都内の百貨店で売られている中から計31商品を買い求め、実食調査。
純粋に「味わい」だけを評価すべく、商品名・価格・メーカー・購入場所・商品の特色などはすべて隠した、ブラインドテイスティングで実施した。
今回は、醤油のBEST5をご紹介!
日本の食卓に欠かせない味
一般的に多く流通し、家庭でも使用頻度が高い「濃口醤油」を審査(本醸造と天然醸造に限定)。
都内の百貨店で販売されている中から10本を厳選し、商品名・メーカー名が見えない状態で実食。
そのままで味わうほか、刺身や豆腐につけて比較した。
【醤油のマメ知識】
商品名やラベルでよく見かけるけど、意外と知らないことも多い醤油の用語。簡単にご説明しましょう!
「本醸造」とは、醤油本来の伝統的な製法で作られたもののこと。
「天然醸造」とは、①本醸造方式で作る、②醸造の促進を行わない、③食品添加物無使用の3条件を満たした場合に表示が可能
全国シェア約8割で最も一般的な「濃口」、色が淡く食塩量が多い「淡口」、とろみと旨みが強い「たまり」、生揚げ醤油で仕込む濃厚な「再仕込み」、淡口よりさらに淡色の「白」の5種類
調味料の覆面調査に挑んだのはこの4人
[編集]鈴木
[ライター]市村
[ライター]井島
【5位】井上古式じょうゆ
井上醤油店
519円・360ml
【加工地】島根県 【購入先】新宿高島屋
スッキリなのにコク深く香り高い
一般的な醤油に比べ、丸大豆を2割増しなので風味が豊か。まろやかだがさっぱりとした旨みがあり、煮物やつけ醤油に。
「バランスが良くて、まろやかさがある。カドがないところも好き」(鈴木)。「旨みが濃くて塩味も穏やか。美味」(井島)
鈴木★★★★
市村★★
井島★★★
合計13点
【4位】吉野杉樽天然醸造醤油
フンドーキン醤油
648円・500ml
【加工地】大分県 【購入先】伊勢丹新宿
まろみがあり、使いやすい
国産原料の大豆と小麦を使用し、吉野杉の木樽で自然の温度でじっくり発酵・熟成させている。豊かな香りで色合いがよく、味わい深い一品。
「すごく好きな味。キリッとした味わいなので、何にでも合いそうですが、個人的には刺身や冷奴で」(鈴木)
鈴木★★★★★
市村★★★
井島★★★
合計14点
【3位】丹波黒豆醤油 菊醤
ヤマロク醤油
1080円・500ml
【加工地】香川県【購入先】日本橋三越本店
丹波黒豆醤油 菊醤
醤油らしい正統派な味わい
小豆島で、約150年の歴史を持つ醤油蔵の看板商品。旨みが強い大粒の丹波黒豆を使い、大杉樽で仕込む。あっさりとしつつもキレがあるのが特長。
「深みのある香ばしさが印象的で旨みもふくよか」(門脇)。「正統派な印象」(市村)
鈴木★★★★
市村★★★★
井島★★★
合計15点
【2位】生醤油 蔵造り
佐々長醸造
1728円・1000ml
【加工地】岩手県 【購入先】日本橋三越本店
生醤油 蔵造り
甘みと丸み、コクが際立つ
北上高地の早池峰霊水を使用し、岩手県産の大豆・小麦・米を用いて、長期熟成させた無添加醤油。つけ醤油、かけ醤油、煮物など万能に使える。
「香り高く甘みとコクがあるので、焼き海苔につけたり、磯部焼きにも良さそう」(市村)
鈴木★★★★
市村★★★★★
井島★★★★
合計16点
【1位】平左衛門
タイヘイ
1987円・720ml
【加工地】千葉県 【購入先】松屋銀座
塩気や甘みなどのバランスが抜群
江戸時代からの杉の大桶にて仕込む限定醸造。寒仕込み(※)で自然垂れの一番搾りだけを瓶詰め。
「シャープでキレが良くて美味しい。華やかで上品な香りも魅力的」(井島)。「塩気や甘み、酸味など複雑な旨みを感じるので、そのまま使いたい」(市村)
※寒仕込み……冬に仕込んだもろみは、気温上昇に伴い発酵・熟成が進む。風味が最も際立つため、仕込みの最良の時期とされる。天然醸造ならでは。
鈴木★★★★
市村★★★★★
井島★★★★
合計18点
良品揃いで、醤油の評価はかなりの接戦
鈴木(以下、鈴)「色、香り、味わいに予想以上に違いがあって驚きましたね。」
門脇(以下、門) 「みんなの評価が高かった1位の『平左衛門』は、良質な醤油らしい香りで深みもありました。」
市村(以下、市) 「年に1回、大桶に仕込んで搾った分のみという贅沢な醤油です。例年入荷は年末頃で、早い時には翌年の5~6月には売り切れてしまうそうです。」
井島(以下、井)「2位の『生醤油』は、華やかな香りが印象的でした。塩味は控えめで、あっさり。個人的には、お刺身と食べたいです。」
門「少しだけ甘みがあるので、西日本に多い、甘めの醤油に慣れている方も好きそうな味だね。」
井「3位の『菊醤』は、気品ある香りで色がきれい。煮物もきれいに色づきそうです。」
鈴「これはそのまま使いたいとか、煮込みや炒め物に良さそうとか、塩味や甘さ、酸味などで違いがありましたよね。」
市「ランク外になりましたが意見が割れたのが、力強い発酵香がした醤油。発酵好き・お酒好きの私は高評価でしたが、鈴木さんと井島さんが低評価。そのままだと個性が強すぎて使いづらいのかも。」
井「その良さを発揮できる調理法で食べると、また違った印象になりそうですが……。」
鈴「そうそう。ランキングも僅差ですし、本醸造・天然醸造の醤油って、どれも、基本的には美味しいものが多かった。」
門「もし、美味しい醤油を探している読者の方がいたら、ぜひこのランキングを参考に、実際に舌で試して、自分の好きな味を見つけてくださいね。」
【番外編】こんな商品も見つけました!
角長 the SOY POWDER
980円・25g
【購入先】日本橋三越本店
斬新な粉タイプ
醤油発祥の地である和歌山県・湯浅で、1841年創業の老舗醤油蔵が造る粉末醤油。特級醤油の諸味を乾燥させた香り高い逸品。食感を生かすべく天ぷらや焼き海苔に使うのがオススメ
フンドーダイ醤油 透明醤油
540円・100ml
【購入先】松屋銀座
フンドーダイ醤油 透明醤油
素材の色を邪魔しない
本醸造醤油を特殊技術で透明化し、調合した調味料。醤油の香りとコクは残ったままなので使い方は無限大。ほんのりとした甘みがあり、つけてもかけても。洋服にこぼしても目立たない
※覆面調査に使用した調味料はすべて都内の百貨店で購入したものです。エリアや店舗によって取り扱い内容が異なる場合があります。また、購入先と購入価格は2020年3月時点のものです。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。