【一.禅寺でととのえる】自分の心を映す鏡 石庭を前にたたずむ
「臨済宗大本山 東福寺」
創建は鎌倉時代。圧倒的スケールの伽藍(がらん)が印象的な禅宗寺院だ。
現存する禅寺最古の三門や中世から遺る僧堂など見どころは多いが、今回足を運んだのは「八相の庭」本坊庭園。作庭家・重森三玲により昭和14年に完成し、近代禅宗庭園の白眉とされる。
方丈(僧侶の住居)の東西南北には四庭が配され、南庭は、剛健に配された巨石と渦巻く砂紋による枯山水。北庭には杉苔の緑と敷石が抽象絵画のように市松模様を描く。四庭それぞれの意匠が印象的だ。
シンプル、抽象的にして趣き深く、不思議と見飽きることがない。ただただ名庭と対峙する時間を楽しみたい。
■臨済宗大本山 東福寺(とうふくじ)
[住所]京都市東山区本町15-778
[電話番号]075-561-0087
[拝観時間]9時〜15時半(16時閉門) ※12月第1月〜3月末
[拝観料金]本坊庭園(方丈):大人1名500円、小人1名300円
[交通]JR奈良線ほか東福寺駅から徒歩10分