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手作りだからこそ味わえる味があります。手間と時間はかかっても、お店ではまず手に入らない季節の味もあります。そんな「おとなの週末」を楽しんでいる手作り好きから、季節の自慢の酒肴を、「季節の目印」ともいえる二十四節気にあわせて紹介する企画。「週末手しごと 酒肴二十四節気」と題した、食の歳時記3回目です。

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大寒の時期のしじみで「しじみ紹興酒醤油漬け」を楽しむ

66歳のオイラ。血圧高めのジジイとして、塩分の摂りすぎを気にしているので、醤油をたくさん使う酒肴については、じつは案外控えています。

でも、大寒(だいかん=1月20日からの2週間)の頃に出回る、青森・十三湖産や、島根・宍道湖産の大ぶりのしじみを見つけると、心が騒ぐのです。この時期のしじみは「寒しじみ」と呼ばれ、とくに重宝されます。寒さゆえ、湖の底深くに潜っていて「栄養をたっぷり蓄えているから」とされています。

寒しじみ

「あ~~、しじみが食べたい。味噌汁もおいしい。でも、もっと食べたいのは……」

はい、それは醤油の中でしじみが泳いでいるような一皿。ツルンとした味わいが絶妙の「しじみの紹興酒醤油漬け」です。

しじみの紹興酒醤油漬け

しじみの紹興酒醤油漬けは、台湾料理店などでよく出てくる一皿です。限りなく生に近い食感で、紹興酒とにんにくがきいた醤油味の一品

もちろん、それほどたくさん食べるものではありませんが、お酒のスタートには最高の一品と感じています。疲労回復の働きをするアミノ酸・オルニチンが豊富で肝臓にもいいらしい。

その昔、オイラがこのしじみの一皿に出会ったのは、六本木のバーでした。30年以上も前のことです。「都会のおとなは、こんなうまいものを肴に酒を飲んでいるんだな」と感心したものです。

台湾でも食べたことがありますが、生のしじみを凍らせて紹興酒と醤油に漬けているからこその「ツルン、プルン」の味わいだったと思っています。

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生しじみから漬けるのでなく、必ず加熱してから...
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この記事のライター

沢田浩
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