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銭湯のでかい湯船に浸かって温まれば、何ともいえない心地よさ。ふらり立ち寄り、極楽時間を過ごしたら、今度は銭湯やその周辺でちょいと至福の一杯を。東京に残る銭湯約450軒の中から、そんな楽しみが待つ、銭湯を厳選して紹介します。

『一の湯』 @沼袋

沼袋で創業73年 やさしさあふれる「ウチのお風呂」

『一の湯』天井が高く、天窓がある昔ながらの浴室は開放感たっぷり。富士山に三羽の鶴が力強く羽ばたくタイル画が、目を楽しませてくれる

[住所]東京都中野区沼袋1-39-10
[電話]03-3386-2836
[営業時間]16時~翌2時(女湯は翌1時半)
[休日]水
[交通]西武新宿線沼袋駅北口から徒歩1分

銭湯愛を語りつつ夜は更けていく

『一の湯』に入るたび、「やさしい銭湯だなぁ」と思う。シャンプー、ボディソープはもちろん、子ども用のおもちゃもある。女湯には無料の化粧水やクリーム、そして脱衣所のハンガーにかかった洋服には、「ご自由にどうぞ」。なんと、風呂上り、もし無性に着替えたくなったらもらってよいのだ。

なぜこんなにやさしいのか。「家のお風呂のように入ってほしいから」。女将の西川祥惠さんに伺うと、こんなひと言が返って来た。「うちは駅から近いし、仕事帰りに本当に手ぶらで寄れる銭湯にしたいんです。だからフェイスタオルも2枚まで無料にしてるの」。

『一の湯』脱衣場にはソファセットもあり、ゆったりくつろげる

帰り道に、ぶらりと寄れる銭湯で一日の疲れを取って――。そうか、『一の湯』のやさしさは、そんな女将さんの母心にあったのだ。湯は井戸水を軟水化しているので、シャンプーや石鹸の泡立ちもよく、髪や肌もしっとりする。創業は1950(昭和25)年。70年以上地元の人たちが浸かってきた。銭湯前の通りに「一の湯商店街」と名がつくほど沼袋の街に溶け込んでいる。

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おとなの週末Web編集部
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