おとなの週末2023年8月号で、涼を満喫できるグルメを探すべく調査・取材した『おとなの週末』スタッフが集結。ライター陣は麺を取材した松田、藤沢、かき氷を取材した池田、井島、麺と酒場を兼任した菜々山、肥田木、編集から戎の7名が各自のひんやり体験を語ります。
冷やならではの麺に舌鼓 そして“限定”は間違いなし
戎「2023年8月号は、56ページ、ブチ抜きで、“涼”をテーマにした大特集でした。その前半戦のグルメ記事。どうです?みなさん、涼しくなれました?」
全員「バッチリ!」
戎「まず、どのテーマからいきましょうか?」
松「じゃあ、うどん担当の私から。うどんは冷やで食べると、粉の風味やコシの強さが際立つのよね」
戎「そうなんです!!うどん好きのボクとしては、よ〜く水で洗って締められた伸びやかなコシがたまらないっ!」
松「特に“餅うどん”と銘打った『功刀屋』は、冷やだからこそ生まれる独特の食感にハマった〜。あと『哉(ちか)』は、地粉の香りと甘みがぶわっと広がる。それに、“冷やかけ”という選択肢もあるじゃない?老舗カツオ節店が手掛けた『うどん鈴木鰹節店』はダシもおいしくて。こんなうどんがあると思えば、東京の夏も悪くはないかな」
菜「私は蕎麦を担当したよ。店によって、夏季限定の冷やしぶっかけが登場するんだよね。『一久』の『明太おろしそば』は、ピリ辛&さっぱり感で食欲をそそるし、『山商』の『冷しベジタブルそば』も、野菜たっぷりで爽やかな食べ心地。通年メニューは正統派の蕎麦屋って感じだけど、限定のぶっかけは、なんだか遊び心もあって、面白いんだよね〜」
肥「ちょっとぉ、こっちの麺も忘れないで」
藤「そうですよ!」
戎「肥田木さんは冷やし中華担当ですな」
肥「そう。冷やし中華ってなんで夏しか(年中ある店もあるけど)やってないんだろうね。冷たいからってこともあるけど。でも『夏季限定』だからこそ惹かれて食べたくなるのかも。日本人って“限定”に弱いもんね」
菜「でもさ、冷やし中華ってどこで食べても、そんなに変わらなくない?」
肥「全然違うから!王道あり、具と麺の別盛りあり、つけ麺タイプあり、はたまたホテル仕様の豪華版あり。『菊凰』のそれは王道タイプだけど、盛り付けの美しさとバランスの良い具材の組み合わせにやられたし、『羽衣』は具と麺が別盛り。具は揚げたてのエビもあって(エビ好き)酒のつまみになる。紹興酒のボトル1本空けちゃった(笑)。ていうか、冷麺の方がどこも変わりばえしなくない?」
藤「むむ、失礼な!盛岡冷麺の『つるしこ』はスープ自体に牛肉の旨みがしっかり感じられるし、『アジョシ』は麺がすごいんです。撮影時に麺打ち歴10年の店長に冷麺を作ってもらって、茹でたての麺に塩をつけて食べさせてもらったらおいしいのなんの。焼肉の〆なんて思わないでくださいっ!今回紹介したのはすべてメイン級の冷麺たちですよ」
戎「なるほど。池田さんと井島さんにはかき氷を担当していただきましたね」
味のバランスが絶妙 レベルの高さに驚いた!
池「やっと俺らの番が来たか。かき氷は好きだけど、考えてみたら取材目線でアプローチって今回が初だったかも。進化してるね〜。まず印象的だったのは、バーで出している、“おとなの”かき氷!『パーリンカ』では、その日あるフルーツでオーダーすると、オリジナルカクテルみたいなかき氷が登場するわけよ。カクテルをシェイクするようにシロップを作ったり、その所作も楽しめる」
肥「甘いもの好きじゃないけど、それは食べてみたくなる」
池「でしょ?『るぷりん』もオンリーワン。完熟トマトをシロップにしつつ、オリーブオイルや塩も使い、中には北海道のフレッシュチーズのムース、国産の爽やかなジンもスプレーして……。料理みたいだけど、かき氷としてバランスよく成立&おいしい&酒にも合うから驚き」
菜「それ、白ワインのお供にしたらサイコーじゃん」
池「クラフトビールなんかともよく合うよ!」
井「私は今回の取材でびっくりしたのが、外国人観光客も大勢来てたこと!特に『あずきとこおり』は外国人のお客さんがほんとに多くて、もはや日本の食文化を代表するものなんだな、と思った。確かにここまで気を遣って工夫を凝らして、味の繊細なバランスを考えて組み立てることができるのは、日本人だからかもしれないね。ちなみに、こちらの店主はパティシエさん。食のプロフェッショナルがかき氷に参戦することで、どんどんレベルが上がってる!」
松「それは気になる!」
井「あ、でも予約しないといけないところが多いから、その点は注意が必要かも」
戎「じゃあ、最後は冷やし酒場ですな」