都内にラーメン店は数知れず。その中から、醤油・塩・味噌・豚骨、それぞれのおいしい店を調査。「本当にうまい「醤油ラーメン」ベスト4…鶏だしスープ濃厚、チャーシューしっとり《大山・祐天寺・北綾瀬・木場》で覆面調査」に引き続き、新旧の三ツ星店を一挙にお届けします。五臓六腑にしみわたる一杯をどうぞご賞味あれ。
野方「らぁめん ご恩」
スープをすすった瞬間に、ふくよかな鶏の風味が炸裂。圧倒的な旨みに一瞬で引き込まれてしまう。聞けば、スープの材料は国産鶏の手羽先と水のみ。「それだけで、どうやってこの“鶏感”を?」と驚かされるが、店主曰く「肉と骨、髄を豊富に含む手羽先は、鶏の旨みを最もストレートに引き出せる部位」だそう。
毎日仕込みで使う手羽先の量は、なんと400羽分。それも、髄が出やすいよう手作業でひとつずつ骨をカットし、濁らないよう丁寧に7時間煮出している。これだけ手間暇をかけて、作れるスープの量はたった60杯分だなんて。そりゃあ、旨みが濃縮されているわけだ。
タレは、まろやかな味わいの塩ダレ。日高昆布や干しエビのダシが忍ばせてあり、複層的な旨みや甘み、深みが、鶏のダシを見事に引き立てる。おかげで、帰り道まで口の中が鶏の余韻でいっぱい。その幸せたるや。