旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■ねばねばです
正解:あかもく
難易度:★★★★☆
ひと昔前は厄介者扱い!?
あかもくは、ホンダワラ科の海藻の一種で、日本各地(とくに東北から日本海側)に広く自生しています。
地域によっては、「ぎばさ」「ながも」「神馬草(じんばそう)」などと呼ばれることもあります。
近年の健康志向の高まりによって注目を集めている海藻ですが、ひと昔前は厄介者扱いされ、地域によっては捨てられていたことも……。その理由は、網にからんで漁業の妨げになるためです。
あかもくは、海の中では、巨大な「あかもく林」を作り、それが魚や貝の隠れ家になっています。この林は、二酸化炭素を吸収して酸素を出す力が高いため、海の中の「森」的な存在で、生態系の維持に大きな役割を果たしています。
漁業にとっては厄介者でも、地球環境にとってはなくてはならない存在なのです。
あかもくの旬は春(2月~5月)。この時期が一番柔らかくて粘りも強くなります。
最大の特徴は、強い粘りとシャキシャキとした食感です。粘り成分は、よく混ぜるほど強くなってトロトロに。味自体はクセが少なく、磯の香りもほどよく、海藻の臭みが苦手という人でも抵抗なく食べられるはず。
酢の物や味噌汁の具材はもちろんのこと、納豆に混ぜたり、冷奴、うどんやそばのトッピングなどにしてもOK。
細かく刻んだものも販売されていますが、食感を楽しみたいときは大きめにカットして使うのがおすすめです。硬さが気になる場合は、サッと湯通しするとやわらかくなります。
ただし、火を通しすぎるとぬめりが弱くなってしまうので注意しましょう。