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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第63回の今回は、愛媛県松山市へ。「やきめし」を掲げるお店のチャーラーです。

やきめしを店名にする店の覚悟

愛媛県松山市への出張で、ずっと訪れたいと思っていた店へ行ってきた。

愛媛名物の鯛めしでもなければ、鍋焼きうどんや焼豚玉子飯でもない。チャーラー、すなわちチャーハンとラーメンのセットである。

その店の最寄り駅は伊予鉄高浜線・山西駅。そこから徒歩で約12~13分と、交通の便がよい場所とはいえない。今回は車移動だったので、松山市中心部からカーナビを頼りに向かった。所要時間は20分ほど。

私が興味をそそられたのは、『やきめし 潮路郎(しおじろう)』という店名。中国料理でもラーメンでもなく、“やきめし”。その言葉から自信と誇りが伝わってきて、これは絶対に食べねばならないと思ったのだ。

“やきめし”を掲げる看板が目印。郊外にありながら、わざわざ訪れたくなる一軒だ
“やきめし”を掲げる看板が目印。郊外にありながら、わざわざ訪れたくなる一軒だ

店に到着したのは昼のピークを過ぎた午後1時すぎ。隣には松山市内でも屈指の人気を誇るラーメン店があり、店の前には席待ちの客が並んでいた。それには目もくれず、『やきめし 潮路郎』へ入る。

店内では奥のテーブル席で、常連と思われる70代くらいの男性たちがビール片手に宴を開いていた。話の様子から、どうやら幼なじみ同士らしい。昼下がりのチャーラーにふさわしい、ゆるやかな空気が流れている。

甘さが不思議とクセになる中華そば

案内されたカウンター席では、若者がやきめしを頬張っていた。その量に思わず目を奪われる。大盛かと思ったが、店内の貼り紙にチャーハンの量についての説明があった。

やきめしを軸とした潔いラインナップ。サイズ展開の細かさからも、主役であるチャーハンへのこだわりが伝わってくる
やきめしを軸とした潔いラインナップ。サイズ展開の細かさからも、主役であるチャーハンへのこだわりが伝わってくる

「並盛」(800円)は約450グラムで、他店なら大盛クラス。「大盛」(950円)は約600グラムで、完食はなかなか骨が折れそうだ。「小盛」(600円)は約250グラム、「特小」(400円)は約150グラム。さて、どれにするか。

ラーメンは「中華そば」(750円)の一択。店名に冠する「やきめし」が主役であり、小盛や特小ではサブ扱いになりかねない。とはいえ、中華そば1杯に450グラムの並盛はさすがに重い。悩んだ末、やきめしは小盛を選んだ

「中華そば」(750円)。山盛りの野菜がインパクト十分。このビジュアルと甘いスープとのギャップにバグる
「中華そば」(750円)。山盛りの野菜がインパクト十分。このビジュアルと甘いスープとのギャップにバグる

まず運ばれてきたのは「中華そば」。思っていたものとはかなり違う。山盛りのキャベツ、もやし、ねぎを見て、やきめしを並盛にしなくて正解だったと胸をなで下ろす。具材はほかに豚肉とちくわも入っている。

スープをひと口飲んで、さらに驚いた。チャンポンやタンメンのような味を想像していたが、まったく違う。甘いのだ野菜の自然な甘みというレベルを超えた、はっきりとした甘さ。こんな中華そばは初めてだが、不思議とクセになる味わいだった。

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チャーラーとして完成する一体感
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永谷正樹
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