江戸情緒を感じさせる老舗の味から、お燗酒にワインや蒸留酒を、モダンに楽しめる店までなかなかに個性的な飲食店の集まる両国界隈。街歩きの途中にふらりと立ち寄りたい美味、満載です。
下町の夏の風物詩どぜう丸鍋でお銚子1本!『両国どぜう 桔梗家』
どぜうは夏の季語である。夏の暑気払いに、汗をかきながらどじょう鍋をつつく。それが江戸時代から続く、下町庶民の風物詩だったって話だ。
こちら『桔梗家』は今年で93年目、そんな風情を変わらず繋ぐ両国の老舗だ。靴を脱いであがる、奥に細長い籐の畳が涼しげな座敷で、くつくつ湯気をあげる鍋をつつくのが気分てやつなのだ。
「どぜう鍋」には3種類あって、丸鍋、骨抜き鍋、柳川鍋。
一番出るという丸鍋は、名前どおり、丸の姿のまま。薄手の小鍋に割下をひたひたに入れた中に並べ、煮えたらひっくり返してねぎを山ほどかけていただく。骨も柔らかくなった丸のどぜうがうめえ。
どぜう鍋 丸鍋 1400円・骨抜き鍋 1500円(各1人前)

一方で頭と骨を取り、開いたのが骨抜き鍋で、こちらは下にささがきごぼうが敷いてある。ごぼうが割下とどぜうの旨みを吸って、食感のコントラストにもなり、これまた捨て難い。
「ひと鍋に半々でも頼めますよ」とは三代目の堀木章夫さん。ありがてえ。忘れずに「お銚子も1本」。これで完璧だ。
主人:堀木章夫さん「美容によく女性にも人気です」
[店名]『両国どぜう 桔梗家』
[住所]東京都墨田区両国1-13-15(両国橋際)
[電話]03-3631-1091
[営業時間]11時~14時、16時半~21時
[休日]日・祝
[交通]JR総武線両国駅西口から徒歩5分
街を代表する蕎麦の名店で極上の冷やかけを『江戸蕎麦 ほそ川』
蕎麦好きなら迷わずその名が挙がる『江戸蕎麦 ほそ川』。細い路地を折れると、白い暖簾が涼やかに風に揺れている。
ゆったりと席を配したモダンな空間は温かみがあり、坪庭の緑が目にやさしい。隅々まで行き届いたこの佇まいには、店主・細川貴志さんの美学が宿る。
蕎麦名人と称される細川さんは、選び抜いた玄蕎麦を磨き、粒を選り分けて製粉する。丹念に仕立てた蕎麦は、ふくよかでありながら風味は清らか。
しかし、この店の真骨頂は蕎麦だけに留まらない。気品あるかけ汁にも圧倒されるのだ。
中でも夏の看板「冷かきそば」は、その最高峰。大粒の牡蠣が蕎麦を覆い、鮮やかなオクラの緑が涼を添える。
冷かきそば 2600円

姿は大胆にして、味わいはどこまでも繊細。汁に溶け込む牡蠣のエキスが蕎麦に絡み、手繰るたびに澄んだ旨みが静かに広がっていく。
同じ牡蠣をオイル漬けにしたつまみもまた名品だ。ついつい昼から杯を傾け、至福の蕎麦酒に浸りたくなる。
店主:細川貴志さん「冷かきそばは9月末頃までやってます」
[店名]『江戸蕎麦 ほそ川』
[住所]東京都墨田区亀沢1-6-5
[電話]03-3626-1125
[営業時間]11時半~16時(※蕎麦がなくなり次第終了)
[休日]月・火、不定休あり※要確認
[交通]都営大江戸線両国駅A3出口から徒歩1分
宮城への愛を感じるつまみがうれしい日本酒酒場『562 -colony-』
両国には、老舗の居酒屋もあるけれど、実はこんな使い勝手のいい日本酒の店もある。カウンターメインの小さな空間は、おひとり様にもぴったり。
アパレル出身のご夫婦で切り盛りするせいか、どこか垢抜けた空気感が漂い、若い女性も気軽にふらりと訪れる。
店主の米澤大輔さんは宮城県出身。その郷土愛が詰まったつまみがまたいい。
「ホヤ3種セット」は、ホヤは生で食べるものというイメージを覆す。焼いたり揚げたりという目からウロコの調理法で、ホヤの高いポテンシャルを楽しめるのだ。
ホヤ3種セット 1400円、菊御代(一合)1440円
相方の悠子さんは千葉出身とあって、そのDNA が繰り出す自家製のピーナッツ味噌やなめろうも絶品。
大のお燗好きという大輔さん。そのお眼鏡にかなった銘柄を全国から厳選しているが、特に冷酒は地元宮城県の酒にこだわっている。
下町情緒たっぷりながら、ふと新しい風に出合える両国。この街をふらりと散歩する夜は、こんな店こそおすすめだ。
店主:米澤大輔さん、悠子さん「イベントはSNSを要チェック!」
[店名]『562 -colony-』
[住所]東京都墨田区亀沢1-6-7 松喜ビル1 階
[電話]03-6690-0840
[営業時間]17時~23時(料理22時、ドリンク22時半各LO)
[休日]不定休
[交通]都営大江戸線両国駅A3出口から徒歩1分










































