「カニ派×エビ派」ぶっちゃけ覆面座談会!本音で語る いい店・悪い店!
日本人の大好きな2大甲殻類、エビ、そしてカニ! ここでは取材記事では書けない裏側やガチンコ覆面調査の様子も、ぶっちゃけトークでしゃべります。メンバーは、エビ担当のライター松岡芙佐江(以下、松)と市村幸妙(以下、市)、そしてカニ担当は、飯田かおる(以下、飯)と菜々山いく子(以下、菜)。さらには女4人に囲まれて、肩身の狭い編集戎 誠輝(以下、戎)の計5名でお送りします。
エビへの愛が溢れる
ガサエビにキュン♥
飯「実はね、今回の企画の話を訊いた時、『カニ料理の店なんて邪道っ!』って思ってたんですよね。北海道出身だから、カニは“ゆで”こそ至高。しかも、家で食べるもんだろうと」
戎「へえ、ゆるふわ系の見た目のワリにガンコなんですね。そんで、色々な店で食べてみてどうでした?」
飯「それぞれのカニの特性をキチンと活かしている店が多くて感心しました。タラバやズワイはやっぱりシンプルに楽しむものだし、渡りガニはダシが出るのでパエリアやリゾットに。オスとメスでも味わいや調理法が異なったりするのも面白いなって。こんなに幅広い楽しみ方ができるのはカニならでは!」
松「いやいや、そんなことはないですよ。エビの胴を生で食べた後、頭を唐揚げにしてくれた店もあったし。オマールなんかは、オスとメスで食感が違って、その上、ハサミの部分も食べ応えがあるから二度美味しい」
市「そうそう、エビはなんと言っても種類が多いしね。車エビ、甘エビあたりは定番だけど、他にもウチワエビ、ボタンエビ、白エビ……他にも超珍しいガサエビとかね。ガサエビなんて、寄り目で顔が超カワイイの!」
戎「カワイイですか? アレ。ボクには、プレデターにしか見えないんですけど」
飯「カニだってタラバ、ズワイ、毛ガニだけじゃなくて、世界一甘いカニと言われているディープシーレッドクラブとか、アサヒガニ、モクズガニ、上海ガニ、マッドクラブとか、実は東京周辺でもいろんな種類が食べられるんだから」
市「マッドクラブ……、ナニその凶悪そうなカニ。超怖い」
飯「マッドって泥! 泥のなかに住むカニ。すっごく上品な味だよ」
松「でも、カニよりエビの方が断然いいトコロは、なんと言っても食べやすさでしょ。無言になっちゃうことないもん」
菜「え〜、それ昔の話だから。今は大抵の店で、食べやすいように、包丁入れてくれたり、むいてくれたりしたよね?」
飯「うん、ほとんどはね。でも、そういう手間をあえてかけないで、安く出してる店もあったよ」
松「ドコそれ?」
飯「歌舞伎町の『上海小吃』って店なんだけど、蒸上海ガニが1匹1620円!」
市「やっす‼」
飯「それもね、中×飯店(注※上海ガニ料理で有名な高級店)と同じ仕入れ先のカニを使っているんだって!」
菜「中×飯店ていえば、確か1匹4千円くらいしたと思うけど。昔デートで連れてってもらったなあ(遠い目)」
飯「そうなの! それと同じモノがほぼ3分の1の値段で食べられるなら、自分でむくよね」
松「むく、むく。たとえ、爪が割れようともむきまくる」
カニカマに軍配!
専門店のタラバに不満
戎「ええっと、エビ組と、カニ組が和解したようなので、ここでそろそろ覆面調査で出合った残念な店について話し合いましょうか」
菜「はーい、じゃあまずはワタクシから。吉祥寺の『T』って店なんですけど、タラバカニの刺身が生臭かった〜。なんならカニカマのほうが断然美味しい。その後出されたタラバガニの鍋も、身は大きいけど旨みも甘みも全然なかったなあ。カニ専門店なら、もっとこだわってほしい!」
松「エビではそこまでマズいのはなかった。ただ、とある老舗の洋食店『H』に行った時、2500円のソコソコ高い車エビのフライを頼んだんだけど、店員さんが『アラ、今日のは小さいですね』だって。いらんことを言うなと(笑)」
飯「私は、半蔵門の『P』かな。カニカレーがあるって訊いて、行ってみたんだけど、ルウの横に小さいカニ肉がポロンって乗っているだけ」
菜「ソコ、知ってる。王道のビーフとかポークとか美味しいじゃん」
飯「そうなの! ルウは美味しいの! でもなぜ唐突にカニをのせた? と。ルウと一緒に食べると、カニ感ゼロだし」
松「あとは、大手町の『E』かな。味もイマイチだったんだけど、オマールエビを注文すると、記念撮影してくれるってサービスがあってね」
市「そのサービス、ビミョーすぎる(笑)」
松「ホントだよ! シラフで真顔の三十路オンナと、活きたオマールのツーショットなんて、ちょっとしたホラーだよ! もちろん撮りませんでした」
飯「あと、カニだとお通しでゆでガニが出てくる店も何軒かありましたよ。しかも美味しくて量もたっぷり。おおっ、これは期待できるぞと思いきや、他の料理が可もなく不可もなくって感じで、お通しが最高潮だったというね」
菜「私もあった! 新橋のとある店は、お通しが毛ガニ。しかも二人で丸ごと1匹出てきて感動したんだけど、他には3種類くらいしかカニ料理がなくて、尻すぼみだったかな。店名に『蟹』ってついてたから、もっとあるかと思ったんだけどね」
エビ派も認めた!
ズワイガニのお通し
戎「え〜と、だいぶ盛り上がっているようですが、今回取材した店の、記事には書ききれなかった裏話なんかをお聞かせ願えればと……」
市「今回取材したなかでもナンバー1は三軒茶屋の『DobuRoku』ですね! 店主が自分で北海道を歩き回って、漁協とコネクションをつけているんですって。産地直送のものが多くて、鮮度も抜群だし、エビの種類も豊富。エビ好きならゼッタイ行ってほしい! 年内いっぱいは、刺身でも食べられる北海道羅らうす臼産ズワイガニ足の籠蒸しを、お通しで出しているの。エビばっかり食べていたから、余計に美味しくて」
菜「ほら、カニも美味しいでしょう」
市「うん、ちょっとカニ組がうらやましくなった(笑)
松「天然モノの特大車エビなら、『菩提樹 水道橋店』でもフライで食べられるよ。しかもこっちは30センチ! エビフライ1本で、こんなにお腹いっぱいになれるのかってほどのボリューム。余談だけど、ここはハンバーグも美味しいんだよね。さらに余談だけど、すぐ近くに『かつ吉』って姉妹店があるんだけど、ここは三島由紀夫もよく来ていた店だから!」
戎「力強く言われてもあんま、カンケーないですけどね」
松「ですよね、それは認める」
飯「私としては、この時期限定の上海ガニはぜひ食べてほしい。『東京チャイニーズ 一凛』は、夜は基本的にコースがおすすすめだけど、お決まりじゃなくて、かなりフレキシブルに対応してくれるから、例えば上海ガニの麺料理が食べたいとか、カニミソは煮込みに……とか、どんどんリクエスト&相談すべき。上海ガニはさっき話した『上海小吃』と同じく、最高級とされている蘇州の陽澄湖産を使っているんですよ」
菜「カニの味わい方で面白かったのが『日本橋 かに福』の『つめ酒』かな」
市「なんですか!?それ?」
菜「炙ったカニの爪に熱燗を注いだフグのヒレ酒みたいなものだよ。ヤバいからコレ。激ウマだから‼ 自宅でカニをお取り寄せしたら、ゼッタイやった方がいい」
戎「この座談会で、ボクの出番がほぼなかったんですけど、最後にぜひ言わせてください」
全員「どうぞ、どうぞ」
戎「やっぱり、流通や冷凍技術の発達をまざまざと感じました。東京に居ても全国各地の新鮮なエビやカニを食べられるし、冷凍物だって生と変わらないクオリティ。この取材ではその点についても感心し通しでした」
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