〈小江戸うなぎ旅〉の締めくくりは、「美しいまちなみ大賞」の受賞歴も誇る栃木市。黒塀や白壁、石造りの街並や市中を流れる巴波川など、ぶらり散歩が心地いい。
画像ギャラリー赤間屋(最寄駅:栃木駅)
ふっくら肉厚の「うな重」迫力を感じつつ品も湛える旨さ
『赤間屋』は、昔ながらの時間の流れを感じさせてくれる落ち着いた佇まいがいい。
ふっくら肉厚でふんわりと蒸されたうな重は蓋を開けた瞬間におお!と言いたくなる迫力。
口いっぱいに頬張ってもタレは甘過ぎず、タレのしみた米粒まで旨い。
・茶碗蒸し 540円
・肝の煮付け 500円
むさし家(最寄駅:栃木駅)
野趣あふれる「うなぎ」の醍醐味を満喫!
『むさし家』は創業明治5年で現代表のお母さんが五代目。
使い込まれた調理場から供されるうなぎは野趣あふれる佇まい。
ほどよく脂が乗ってとろっとくる柔らかさ。コクありのタレもいい。心ゆくまで味わいたい。
巴波川風情と蔵の街 老舗のうなぎが旨い
川風を頬に感じながらゆったりと水の上を行く。
船頭さんが語る街の歴史と船頭唄に耳を傾け、120メートルほど続く黒塀と白壁の土蔵を眺めていると、いつしか時を遡る感覚に――。
「蔵の街」と言われる栃木市は、今行く巴うずま波川が舟運で江戸と繋がれ、筏に組んだ木材を江戸深川の木場まで行きは三日三晩、帰りは四泊五日をかけて行き来したそうだ。
そんな話を聞きながら、まずは「蔵の街遊覧船」でのんびり20分。
小江戸の旅の入り口はやはりこれ。ちなみに1日乗船券だから、夕暮れ時にもう一度なんて手もある。
お次は「蔵の街大通り」を散策だ。
栃木は京都の朝廷から日光東照宮を結ぶ「例幣使街道」の宿場町としても栄えたところで、通り沿いには黒塗りの見世蔵や白壁の土蔵群、大正期の洋館なども残って趣がある。
昭和初期には証券会社だったという洋館がリノベされたカフェを発見。
古くて新しいこんな空間でくつろぐのも醍醐味だ。
ほどよく腹が減ったところで、本日の本命、うなぎ屋へ行こう。
巴波川は幸来橋のたもと『赤間屋』だ。
かつては川魚の卸問屋だったころから数えて四代目。落ち着いた佇まいがいい。
朝捌いたうなぎがじっくり調理されるのを待つ間にまずは一杯。
登場したうな重は肉厚でふんわり。表面のこんがりした香ばしさもいい具合。
川の風情を感じながらのうなぎ、こいつはいい。
街にはまだまだ、伝統的建造物群が残る嘉右衛門町通りや数多くの歴史館などもあって見所には事欠かない。
さらに聞けば、市内各所に「とちぎ江戸料理」を食べられる店があるとか。
栃木ならではの食材も生かしながら、江戸期の料理本や文献をもとに再現。
江戸に負けじと栃木市の料理人が生み出した料理だという。
よし、締めはそいつを楽しんで一杯と決めた!
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