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韓国の家庭料理の味でおもてなしする今里の「麦」で、日本一旨いと評判のチヂミとスンドゥブを食した

生野区の今里には無数の韓国料理店がある。
韓国人からも日本人からも最も評判が良いお店がココ「麦」だ。
来日して35年になる吉田希恵さん(57)はこう説明する。
「味は韓国に近いけど、日本の調味料を使っているので韓国と日本のちょうど中間ぐらいの味付け。
最初は今里に住んでいる韓国人を相手にお店をしていたんですが、今ではいろんなお客さんが来ます」
このお店、オープンして20年。
前の親族が約8年経営、吉田さんが引き継いで12年になる。
「キムチも手作りです。毎日、浅漬けのキムチは作ってますよ!」

最初に提供される小皿料理は韓国同様、すべて無料。
来店するとこれだけの小皿が並ぶ。
人気は「海鮮チヂミ」(1500円)。
タコにイカ、エビ、そして牡蠣入り。
写真だとわかりづらいが、大きさも2人前以上。

これが抜群に美味で、正直驚嘆のレベル。
これまで食べたチヂミは何だったのか、と思うレベルや~。
「粉っぽくないでしょ? ほとんど粉を使わずに具だけで仕上げてるからです」とは、その秘密を語るママの吉田さん。
純豆腐チゲの「スンドゥブ」(1000円)も、提供する直前に生卵を落とす。
こうするとコクが増すのだ。

韓国料理の醍醐味ともいえるほど、濃厚なスープに絶妙なバランスで辛味もある。
スンドゥブは女子に人気なのも納得。
いろいろと聞いてると、調理場にも招いてくれた。
「うちは、牛骨を一日ずっと焚いているんです」

これが旨味の秘訣で、さらに煮込んでペーストにしたものがこちら。

濃厚なスープへと仕上がる。
こちらをベースにしたのが韓国の定番スープ「ソルロンタン」(1300円)。

実はこのスープ、韓国では朝食で食す場合が多いとか。
「二日酔いの次の日にみんな食べますよ(笑)。
スープと酸っぱい大根キムチを一緒に食べるんです。
これを食べると頭がすっきりします」

スープは優しい味わい。
これだけの量でもグビグビと飲めてしまう。
味変はキムチをスープに入れて、酸味を強くさせる。
酸っぱい大根キムチが肝なのだ。

確かに、酔い覚ましにはもってこいの料理。
ちなみに写真では掲載していないが、ママも相当な美人さん。
ママの家庭料理を求めて、同店にはいろいろな人が訪れる。
この味とおもてなし。
人に紹介しても“通”を気取れるお店なのだ。

韓国料理 麦
[大阪]大阪市生野区新今里3-10-24
[TEL]06-6751-6766
[営業時間]18:00~翌6:00
[定休日]月曜

加藤 慶(かとうけい)
大阪在住のライター兼カメラマン。週刊誌のスクープを狙う合間に関西圏の旨いモンを足で稼いで探す雑食系。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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