ランチサービスのしらす丼 しらすは釜揚げではなく天日干し
中に入ると外観から予想がついた通り、しっとりと落ち着いた店内。いやぁいいですねぇ。親切そうな店主から「お好きなところへどうぞ」と促され、カウンターに着きました。このご時世、コロナ対策で一席ごとに間に透明な仕切りが立てられてました。
メニューに「にぎり並 1000円」とあって、こっちもよさそうだなぁと一瞬、迷ったけどやはり初心貫徹。しらす丼を注文しました。
そしたら出て来たのが、これ。おぉおぉ、よいではないですか。間仕切りの脇に醤油差しが置いてあったので、何の考えもなしに当たり前のように上から掛けた。
そしたら店主「しらすは釜揚げではなく天日干しなので、まずはお醤油を掛けずに召し上がってみて下さい」だって。えぇ~!? もう掛けちゃったよぉ。「えっ、掛けちゃったんですか」と店主も苦笑い。
ただ、真ん中の辺りにぶっ掛けただけだったので、周辺にはまだ醤油に侵されてない部分も残ってた。なのでまずは、そこだけ選んで頂いてみました。
あぁ~なるほど。天日干しなので潮のわずかな塩味が残ってるわけですね。それが酢飯と口の中で一体となって、何とも言えない風味を醸し出す。いやいやこれなら「最初は醤油なしで」と勧められる意味も分かるわ。最初どころか全部、そのまま頂いてもいいくらいです。
寺と一緒に時間(とき)を重ねて来たのであろうこんな店内で、美味を堪能する幸せ。厄除けじゃないけど早速、参拝のご利益がありました。
あ~美味しかった。ご馳走様っ!!
「雄寿司」の店舗情報
[住所] 東京都杉並区堀ノ内3-3-25
[電話]03-3313-1353
[休日]不定休
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間や定休日は異なる場合がありますので、来店の際には事前にご確認ください。
[交通]地下鉄丸の内線新高円寺駅から徒歩約13分、都バス・京王バス堀ノ内バス停から徒歩約2分
西村健
にしむら・けん。1965年、福岡県福岡市生まれ。6歳から同県大牟田市で育つ。東京大学工学部卒。労働省(現・厚生労働省)に勤務後、フリーライターに。96年に『ビンゴ』で作家デビュー。2021年で作家生活25周年を迎えた。05年『劫火』、10年『残火』で日本冒険小説協会大賞。11年、地元の炭鉱の町・大牟田を舞台にした『地の底のヤマ』で日本冒険小説協会大賞を受賞し、12年には同作で吉川英治文学新人賞。14年には『ヤマの疾風』で大藪春彦賞に輝いた。他の著書に『光陰の刃』『バスを待つ男』『バスへ誘う男』『目撃』など。最新刊は、雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編『激震』(講談社)。
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