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小説『バスを待つ男』や、講談社の「好きな物語と出会えるサイト『tree』」で連載中のエッセイ『日和バス 徘徊作家のぶらぶらバス旅』など、作家生活25周年を迎えた西村健さんは、路線バスをテーマにした作品の書き手としても知られています。「おとなの週末Web」では、東京都内の路線バスを途中下車してふらり歩いた街の様子と、そこで出会った名店のグルメを紹介します。

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開幕直前までトラブル続きの東京オリンピック

東京オリンピック、始まりましたね、いよいよ。

新国立競技場のデザイン変更問題に端を発し、コロナ禍による開催、1年延期。森喜朗・大会組織委員会会長(当時)による女性蔑視発言から、開幕直前までの関係者の相次ぐ辞任、解任。思えばこれほどトラブルに見舞われた五輪というのも珍しいのでは。

ただまぁやっぱり、東京オリンピックですよ。

個人的な話で恐縮ですが生まれは昭和40年なので、前回の時にはこの世にいなかったし。次がもしあるとしても私はもうとっくに墓の中でしょう。だから生涯で一度だけ、体験できる東京五輪ということになる。

渋谷区のコミュニティバス「ハチ公バス」

なので、バスで行って来ました。今回は乗るのは、ハチ公バス。渋谷区の運行するコミュニティバスですね

コミュニティバスというのは地域住民の移動手段を確保するため、地方自治体が運行するバスです。様々なケースがありますが基本的に、企業系バスが入り込まないような細い路地を複雑に走り回り、住民がより利用しやすいように路線が設定されている場合が多い。故に車両も、小型のものが多いのが特徴です。

んで我らがハチ公バスは、これ!

忠犬ハチ公と言えば渋谷のシンボルですもんね。親しみやすいデザインは漫画家、故マンガ太郎氏の手によるものだそうです。これでは小さなお子さん連れだったら、「乗りたい乗りたい!」とせがまれること間違いなし。まぁ乗車料金は100円なので、懐がさして痛むことはないのですが……

ハチ公バスは路線が4コースありますが今回、乗るのは「神宮の杜ルート」。赤線で図示しているのはコース全体ではなく今回、乗った区間だけだけど、青戦で示したように「代々木競技場」「新国立競技場」「東京体育館」と、関連施設を3つもつなぐように走ってるのが分かりますね。まさにオリンピックを体感するためのコースのようなものです……「無観客開催」で入れないけど(笑)

よくもまぁこんなにグニャグニャ曲がったルートが設定されてるなぁ、と思った方もいることと思います。そう。これがコミュニティバスの醍醐味でもあるんですよ。

国立代々木競技場の脇を通り、国立競技場へ!

さてバスは出発点、渋谷駅ハチ公口を出るとすぐにUターンして、JRの線路沿いに北上します。渋谷消防署の先で細い道に左折し、坂を登って渋谷区役所前へ。急カーブを切って代々木競技場の立つ高台の前に出、敷地を縁取るように走ります。

これ、地図だと分からないけど結構、坂だらけの場所なので上がり下りが激しいんですよ。基本、代々木競技場より低いところばかり走るので、上がどうなってるのかよく分からない。この時、ハンドボールをやってる筈だったんですけどね。普段と違うと言えば、警官の姿ばかり見掛けたことでしょうか。通行人も少なかったなぁ。ハチ公の周りは普段通りの人出だったのに。

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